2018年度第4四半期のGDP成長率は前年同期比5.8%

(インド)

ニューデリー発

2019年06月14日

中央統計局(CSO)は5月31日、インドの2018年度第4四半期(2019年1~3月)および2018年度(2018年4月~2019年3月)の実質GDP成長率(2011年基準)の推計値を発表した。

2018年度第4四半期の実質GDP成長率は前年同期比5.8%となり、インド商工会議所連合会(FICCI)の予測6.5%を下回った(「ビジネス・ライン」紙5月31日)。2018年度は、第1四半期(2018年4~6月)の8.0%をピークに4四半期連続で減速した。

需要項目別にみると、輸出は前年同期比10.6%と大きく伸長したが、その他の項目はほぼ軒並み成長が鈍化した(表1参照)。特にGDPの約6割を占める民間最終消費支出は7.2%、約3割を占める総固定資本形成は3.6%と減速し、GDP成長率を押し下げた。

表1 2018年度第4四半期の需要項目別GDP成長率(2011年基準)

産業部門別の粗付加価値(GVA)成長率をみると、農林水産が前年同期比0.1%減とマイナス成長となったほか、製造が3.1%、貿易・ホテル・運送・通信・報道関連サービスが6.0%と成長の鈍化が目立った(表2参照)。

表2 2018年度第4四半期の産業部門別GVA成長率(2011年基準)

2018年度のGDP成長率は6.8%、過去5年間で最低水準に

2018年度GDP成長率の暫定推計値は6.8%と、2次推計値の7.0%(2019年1月31日発表)からやや下方修正された。2013年度の6.4%以来の、最も低い水準だ。

需要項目別にみると、民間最終消費支出は前年度比8.1%と前年度より伸長した一方、政府最終消費支出は9.2%と成長が鈍化した(表3参照)。

表3 2018年度の需要項目別GDP成長率(2011年基準、暫定推計値)

産業部門別の粗付加価値(GVA)成長率をみると、製造は前年度比6.9%、建設は8.7%に伸長したものの、農林水産は2.9%、鉱業・採掘は1.3%に減速した(表4参照)。農林水産の成長率が大きく鈍化した理由の1つとして、モンスーン期の降雨量が例年を下回り、収穫量が減少したことが挙げられる(「ビジネス・ライン」紙6月7日)。

表4 2018年度の産業部門別GVA成長率(2011年基準、暫定推計値)

(宇都宮秀夫)

(インド)

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