欧州消費者団体、イベントチケット再販売サイト利用に注意喚起
(EU)
ブリュッセル発
2019年06月12日
欧州消費者機構(BEUC)は6月6日、傘下の欧州各国8消費者団体とともに、イベントチケットを取り扱うオンライン再販売サイトの利用について注意を呼び掛ける声明を発表した。具体的対策として、(1)公式販売サイトや正規の再販売ルートを通じた購入、(2)主催者が設定する価格を上回る代金を支払わないことなどを推奨している。
再販売サイト利用によるトラブルは急拡大
BEUCによると、EUにおいて現在、オンライン再販売サイトを通じたイベントチケット購入者が直面するトラブルは、「正規料金の数倍の価格の支払い」「チケットが販売者から受けた説明と異なる」「チケットに他人の名前が記されている」「(購入したチケットを持参したところ)イベント会場で入場拒否された」など多岐にわたるという。
欧州の幾つかの国では、既に営利目的の組織的なイベントチケットのオンライン再販売行為は禁止されている。各消費者団体は、傘下の欧州各国消費者団体に対して、不正な取引が疑われるオンライン再販売サイトについて、消費者保護法などに抵触していないか調査するよう要請している。
BEUCのモニーク・ゴイエン代表は「オンライン再販売サイトを通じたイベントチケット購入をめぐるトラブルはEUでも急拡大」「公式販売サイト以外のオンライン再販売事業者からのイベントチケット購入には危険があり、時として法外な価格だ」と指摘。高額な請求を行う再販売サイトを利用しないよう注意を呼び掛けている。
(前田篤穂)
(EU)
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