大統領選挙は国民希望党とバモス党で8月11日に決選投票

(グアテマラ)

メキシコ発

2019年06月18日

グアテマラで6月16日、大統領と副大統領、国会議員、市長、中米議会議員を選出する総選挙が行われた。最高選挙裁判所(TSE)の開票速報(現地6月17日午後5時16分時点、98.11%開票済み)によると、大統領・副大統領選挙では、国民希望党(UNE、中道左派)のサンドラ・トーレス大統領候補、カルロス・モラレス副大統領候補が111万4,351票(得票率:25.73%)で首位、バモス党(VAMOS、右派)のアレハンドロ・ジャマテイ大統領候補、セサール・カスティージョ副大統領候補が60万1,636票(13.89%)で次点につけている。3位はグアテマラ人道主義党(HUMANISATA、中道右派)で得票率11.15%、4位は国民解放運動党(MLP、極左)で10.41%、5位は国民進歩党(PAN)・ポデモス(PODEMOS)連合(ともに右派)で6.08%となっている。ジミー・モラレス現大統領が2013年に創設し、現在、国会で最多議席の国民集中戦線(FCN、右派)は得票率4.14%にとどまっている。

大統領・副大統領選挙は、今回、得票率が50%を超える政党がなかったため、UNEとVAMOSとで8月11日に決選投票が行われる。第1回投票の開票速報ではUNEが11.84ポイントの差を付けたが、複数の現地メディアが選挙前に実施したアンケートによると、第1回投票の2位政党が、決選投票ではUNEを上回るとの予測が出ており、UNEが決選投票でも勝利するとは限らない。今回、他政党に投票した有権者の票が勝敗のカギを握る。

UNEのトーレス大統領候補は、2015年の大統領選挙でも決選投票まで進んだが、モラレス現大統領に敗れた。アルバロ・コロン元大統領の元夫人で、2008~2012年のコロン政権では社会事業庁長官を務めた。

VAMOSのジャマテイ大統領候補は、2007年、2011年、2015年の大統領選挙にも立候補しており、今回で4回目。2004~2008年のオスカル・ベルシェ政権では刑務行政長官を務めた。

2006年に設置されたグアテマラ無処罰問題対策国際委員会(CICIG)については、モラレス大統領が2018年8月にCICIGマンデート(設置期限)を延長しないことを決定し、2019年9月3日の設置期限後は延長されないことになっている。両候補とも、この現大統領の方針を踏襲する。また、汚職との戦いと移民抑制が政策課題であることも、両候補に共通している。

国会議員選挙では160議席を競うが、そのうちの32議席が全国区比例代表制で選出される。その選挙でも、UNEが得票率18.08%でトップ、VAMOSが7.96%で2位となっている。残りの128議席は全国23の選挙区から比例代表制で選出される。市長選では全国340市の市長が選出される。

(稲葉公彦)

(グアテマラ)

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