ブラジルのボルソナーロ大統領、初のアルゼンチン公式訪問

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、メルコスール、EU)

ブエノスアイレス発

2019年06月14日

ブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領とアルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領は6月6日、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで首脳会談を行った。ボルソナーロ大統領にとっては1月の就任以来、初めてのアルゼンチン公式訪問となった。

会談終了後に両首脳は、大統領府において記者会見を行った。両国から発表された共同宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、メルコスールを基軸とした統合の強化や近代化、太平洋同盟との統合に向けた取り組み、2国間の統合・協働メカニズムの深化、ブラジルのプレサルやアルゼンチンのバカムエルタといったエネルギー鉱区開発の継続、組織犯罪や汚職への断固たる対応などが、多岐にわたって確認されている。

両首脳の記者会見で注目されたのは、メルコスールの自由貿易協定(FTA)交渉がある。共同宣言の中でも、メルコスール加盟4カ国(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ)がEU、欧州自由貿易連合(EFTA)、カナダとの合意に向けて努力することが確認されている。EUとの交渉は、佳境を迎えているとされながらも、合意には至らない中、5月下旬以降、ウルグアイのロドルフォ・ニンノボア外相、パラグアイのルイス・アルベルト・カスティグリオーニ外相、マクリ大統領といったメルコスール各国要人が相次いで、6月中には合意するとの期待を述べている(「ウルティマ・オラ」紙電子版6月5日)。6月6日の記者会見の席でも、ボルソナーロ大統領は合意寸前だと発言した。6月28~29日に大阪で開催されるG20サミット、7月2日の欧州議会開会の前までに合意に持ち込みたいとするモメンタム(勢い)がメルコスール側にはあり、6月下旬のメルコスールとEUとの高官レベルでの協議がデッドラインになる、との見方も報じられている(「ポリティコ」紙電子版6月7日)。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ、メルコスール、EU)

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