1~5月の自動車生産、販売ともに低迷続く

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年06月13日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は6月5日、5月の自動車生産台数(大型トラック・バスを除く)は前月比0.05%減(3万280台)と横ばいだったものの、前年同月比では35.3%減となったことを発表した。1~5月の生産台数は前年同期比32.5%減の13万7,266台と減産が続いている。

輸出台数は前年同期比8.5%減の9万285台だった。全体の約67%を占める対ブラジル輸出が前年同期比12.8%減(6万301台)だった影響が大きい(表1参照)。他方、対メキシコ輸出は84.3%増と大幅に増加した。コロンビア(前年同期比19.5%増)、チリ(10.3%増)、ペルー(7.2%増)へも輸出が伸び、同3カ国向けだけで見ると、前月比6.3%増、前年同月比1.9%増となった。車種別の輸出台数では、乗用車が前年同期比34.3%減(2万8,751台)と下火が続く一方、商用車は12.1%増(6万1,534台)と好調を維持している。

表1 国・地域別輸出台数

国内販売も低迷が続く。アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によると、新車販売登録台数(重・軽商用車およびその他大型車を含む)は2018年6月以降、前年同月比でマイナスが続いている。1~5月では前年同期比51.1%減の21万3,271台だった(図参照)。業界関係者によれば、2019年の販売台数は65万台と、前年比25%減になるとされている(「エル・クロニスタ」紙6月5日)。

図 アルゼンチンの自動車国内販売台数の推移

政府は、低迷する国内市場の活発化を目的とし、6月4日に新車販売促進プログラム「Junio 0km」の開始を発表(2019年6月11日記事参照)。各メーカーが選定する233車種で、政府の助成金の下、新車販売価格が最大9万ペソ(約21万6,000円、1ペソ=約2.4円)まで引き下げられる。当初の発表ではADEFAの会員企業の製造車種のみが対象だったが、政府は6月10日、輸入ブランドも含めると発表した。ACARAによると、促進プログラムは1日当たりの平均新車販売登録台数に影響を与えるだろうとしており、実際にプログラムが開始した直後には、販売店やウェブサイトによる問い合わせが増加したとしている(「iプロフェッショナル」紙6月10日)。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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