習国家主席、就任後初めて北朝鮮を訪問し首脳会談

(中国、北朝鮮)

北京発

2019年06月27日

中国の習近平国家主席は、6月20~21日に国家主席就任後初めて北朝鮮を公式訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談した。習国家主席は、北朝鮮側の非核化に向けた努力を評価し、「国際社会は米朝が話し合いで成果を出すことを望んでいる」と指摘した。その上で、「(北朝鮮の)安全と発展に向けて力の及ぶ限り支援し、朝鮮半島の非核化などの実現のため、建設的な役割を果たす」と強調した(「新華網」6月20日)。

中国共産党中央対外連絡部の宋濤部長は6月21日、今回の訪問は中朝国交樹立70周年の歴史の節目に当たり、新時代の中朝関係の発展にとって、過去を受け継ぎ、未来を開く重要な意義を持つ、と説明した。同時に、今回の訪朝は、朝鮮半島の平和に関する対話がカギとなる時期に差し掛かる中で行われたもので、半島問題の政治的解決プロセスの促進や朝鮮半島の平和と安定の維持に重要な役割を果たしたとの認識を示した。さらに、宋部長は「今回の訪問は豊富な成果と深く大きな影響をもたらし、期待された目標を達成した」と高く評価し、主な成果として次の3点を挙げた(「新華網」6月21日)。

  1. 両党・両国の最高指導者が進むべき方向を定め、中朝友好を新たな段階へと導いた。
  2. (両国の指導者が)国家統治などの経験について交流し、相互に学び、新時代の中朝関係に新たな意味合いを与えた。
  3. 大国が担うべき責任を果たし、朝鮮半島の政治的対話プロセスに新たな推進力を注いだ。

また、外交部の陸慷報道官は、訪問に先立つ6月18日の記者会見で、今回の習国家主席の訪朝は米国に対する交渉カードではないのか、という質問に対して、「考え過ぎだ」と否定し、「北朝鮮と中国は隣国として長年の友好の伝統を持っている。新時代の中朝関係を発展させようとする今回の訪問自体の重要な意義を理解してほしい。別の事柄と関連付ける必要はない」と主張した。

(趙薇)

(中国、北朝鮮)

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