2018年対日貿易は輸出入ともに増加、主力商品が好調

(コートジボワール)

アビジャン発

2019年06月05日

2018年のコートジボワールの対日貿易は、輸入が前年比5.3%増の1,319億1,114万CFAフラン(約251億円、1CFAフラン=約0.19円)、輸出が20.2%増の15億7,589万CFAフランとなった(注、表参照)。両国間の貿易は1985年以降、日本側の輸出超過で推移しており、2018年は黒字幅が前年比5.2%増の1,303億3,525万CFAフランに拡大した。日本はコートジボワールの輸入相手国で13位、輸出相手国で68位だ。

表 コートジボワールの対日輸出入額(主要商品)

輸入価格の上昇が対日輸入額を押し上げ、カカオ輸出は市況の低迷で減少

日本からの輸入は、約8割を占める工業製品を中心に輸入価格が上昇したことから金額ベースで前年比増となった。主要品目のうち、ブルドーザーなどの機械類、発電機などの電気機器、医療用機器がそれぞれ大幅に増加した。

一方で、輸入の5割強を占める車両・部品は、721億7,212万CFAフランとなり、前年比3.5%減少した。このうち、主力の乗用自動車(構成比:43.5%)と貨物自動車(7.3%)は、それぞれ3.8%減の573億4,003万CFAフラン、9.9%減の96億6,632万CFAフランとなった。近年、増加傾向にあった建設資材のセメント用クリンカーは16.1%減で、スラグサンドは横ばいだった。食料品では、サバなど魚類が50.0%増となり、増加傾向にある。

日本向け輸出の7割強を占めるカカオペースト(加工品)は数量ベースで14.2%増加したが、市況低迷による価格の目減りで金額ベースでは8.8%減となった。従来、ペーストに次ぐ輸出品目でだったカカオ豆は、2017年以降の輸出実績はゼロだ。日本向けに輸出されたコートジボワール産カカオ豆に残留農薬(2,4-D、除草剤の有効成分)が検出されたことから、日本の厚生労働省は2014年1月に同商品を検査対象外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとした。コートジボワール当局が、対日輸出に限り、船積み前検査を厳格化したことが原因とみられる。

(注)ジェトロが5月にコートジボワール税関総局から入手した統計データによる。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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