非合法移民のメキシコ人の割合、2017年に過半数を割る
(米国)
米州課
2019年06月19日
米国のシンクタンクのピュー・リサーチ・センターは6月12日、米国における非合法移民に関する調査結果(注1)を発表した。
非合法移民(注2)の人数はピーク時だった2007年の1,220万人から、2017年は1,050万人と170万人減少した。外国生まれの人口4,560万のうち、非合法移民は23%を占める。
非合法移民の過半数を占めてきたメキシコ人は、過去50年間で2017年に初めて過半数を割り(シェア47%)、2007年ピーク時の690万人から2017年は490万人に減少した。
2007年から2017年にかけて伸びてきたのが、アジア・中米諸国からの非合法移民だ。アジア諸国からは13万人、中米諸国(エルサルバドル、グアテマラ、ホンデュラスを含む)からは40万人増加した。南米諸国、欧州諸国・カナダからはそれぞれ13万人、15万人減少した。国別では、インド、ベネズエラからの非合法移民が増加した。
州別では、もともと非合法移民の多いカリフォルニア州、フロリダ州、イリノイ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州で、2007年から2017年にかけて非合法移民が減少した。2007年には5年以内に到着した非合法移民のシェアは全体の30%だったが、2017年には20%に下がった。平均滞在年数は推計可能な1995年の7.1年から上昇を続けて、2017年には15.1年に達した。
また、労働市場における非合法移民は、2007年の820万人から徐々に減少して、2017年は760万人となった。
(注1)政府の統計に基づき、ピュー・リサーチ・センターが推計。
(注2)近年の非合法移民の多くは、違法に国境を越えたわけではなく、合法ビザで入国して滞在許可期間を超えて滞在している人、と同センターはみている。
(松岡智恵子)
(米国)
ビジネス短信 297a28a4c6806bcf