州知事選挙、ペロン党の地方での支持基盤の強さは顕著

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年06月27日

アルゼンチンのフォルモサ州、サンルイス州、サンタフェ州、ティアラデルフエゴ州の4州で6月16日に州知事選挙が行われた。4州ともペロン党急進派の州知事が当選するなど、地方における強さを発揮する結果となった。

まず、アルゼンチン北部にあってパラグアイ国境に接し人口約50万人を抱えるフォルモサ州では、ペロン党急進派のギルド・インスフラン知事が70.66%の高得票率で、マクリ大統領が属する連立与党カンビエモスの支持を得たアドリアン・ボガド候補を大差で破った。インスフラン知事は1995年から当選を重ねており、今回で5選を果たした。2003年以降の選挙は常に7割以上の高い得票率で当選している。

アルゼンチン中心部に位置する人口約50万人のサンルイス州では、これまで州知事を経験してきた3候補が戦う構図になり、ペロン党で現職のアルベルト・ロドリゲス・サア知事が42.30%の得票率で再選を果たした。元大統領で知事の兄、自身も州知事を1983年から2001年にかけて州知事を務めていたアドルフォ・ロドリゲス・サア上院議員は22.11%の3位と振るわなかった。北部にある人口約340万人のサンタフェ州では、これまで社会党が州知事を務めてきたが、今回はペロン党のオマール・ペロッティ上院議員が得票率40.52%で当選。社会党のアントニオ・ボンファッティ候補(36.34%)、カンビエモス系のホセ・マヌエル・コラル氏(18.96%)を破った。ペロッティ上院議員は2015年の前回の州知事選挙では3位だったが、今回は得票を大きく伸ばした。

残り1州はペロン党急進派同士の戦いで、前評判を覆す番狂わせの結果となった。ティエラデルフエゴ州はアルゼンチン最南端の人口約15万人の州。グスタボ・メレージャ・リオグランデ市長が現職のロサーナ・ベルトネ知事を50.86%対37.81%の大差をつけて初当選を飾った。

3月から始まった州知事選挙も15州で結果が出た。次の州知事選挙は8月11日のサンタクルス州となる。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

ビジネス短信 1ea2ec3824350cdb