公共交通機関の料金、クレジットカードで乗車可能に

(シンガポール)

シンガポール発

2019年06月06日

シンガポールでは最近、大量高速鉄道(MRT)やバスなどの公共輸送の乗降時の運賃支払いで、クレジットカードなど電子支払い手段の選択肢が拡大している。4月4日から、非接触型運賃支払い機能を持つ米マスターカードのデビット・クレジットカードを対象に、乗降時の運賃支払いを可能にする「シンプリー・ゴー」システムを開始。6月6日にはこのサービスの対象がVISA(ビザ)カードにも拡大された。

陸運庁(LTA)は2017年8月、スマート国家構想に基づくキャッシュレス化社会の実現に向け、2020年までに公共輸送料金の完全キャッシュレス化を実現するとの目標を発表していた。「シンプリー・ゴー」システムの導入は、こうした動きの一環だ。シンガポールではこれまでも、EZ-LinkカードやNETSシステムなど、日本と同様の交通系非接触型カードの利用が可能だったが、あらかじめ利用額を入金しておくなどの必要があった。「シンプリー・ゴー」システムの導入により、入金の手間が不要となり、同システムのアプリで利用履歴も確認できるようになった。

LTAの発表(5月16日付)によると、「シンプリー・ゴー」システムの利用者は1日平均で12万人に上る。ビザのシンガポール・ブルネイ担当マネジャーは、ビザカードへの対応拡大によって、「国内の利用者や旅行者にとってより便利になる」と述べた。

同システムを利用する際は、事前にアカウントを作成し、利用するカードを登録する必要がある。また、非接触型支払い対応のカードであることが必要で、携帯端末で利用したい場合は、アップル・ペイ、フィットビット・ペイ、グーグル・ペイ、サムスン・ペイが対応している。

(南原将志)

(シンガポール)

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