カナダ・トルドー首相、トランプ米大統領と会談、米国との協力関係強化を発表

(カナダ、米国、中国)

米州課

2019年06月21日

カナダのジャスティン・トルドー首相は6月20日、米国ワシントンでトランプ大統領と首脳会談を行った。両首脳は、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA、新NAFTA)の国内手続きの進捗や、針葉樹材をめぐる紛争などの通商課題について協議を行った。首脳会談前の共同記者会見で、トルドー首相は、カナダは米国と足並みをそろえて(USMCAの)批准手続きを進めると述べ、トランプ大統領は、USMCAの批准について「(米下院議会で多数党を占める)民主党次第だが、ナンシー・ペロシ下院議長と下院が承認することを信じており、(共和党が多数党を占める)上院は速やかに承認するだろう」と記者からの質問に答えた。

中国との関係では、中国のレアアースへの依存を改善し、安全で信頼できるサプライチェーンを確保するために、両国は重要鉱物に関する協力について共同行動計画を策定することを発表した。また米国の要請により、カナダは2018年12月に、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)逮捕したが、中国が2人のカナダ人をスパイ容疑で拘束していることに関して、両首脳は早期の解放を求めるとともに、トランプ大統領は、大阪で月末に開催される米中首脳会談において、「拘束問題について提起する」と述べた。

また、両首脳は、両国の主要空港で実施している事前入国審査制度を、2019年夏から陸上や鉄道、港湾施設に拡大する方向で協議していることを明らかにした。

トルドー首相は首脳会談を終えて、「トランプ大統領との本日の会談は、生産的で広範囲にわたるもので、エネルギー安全保障からオピオイド危機(麻薬系鎮痛剤の過剰摂取問題)、宇宙探査に至るまで、幾つかの分野でより緊密に協力するための基盤を築くために協議する機会となった。来週、大阪で開催されるG20サミットで、本日の合意内容を進展させることを楽しみにしている」と声明を発表した。

(中溝丘)

(カナダ、米国、中国)

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