貴陽市で「2019中国国際ビッグデータ産業博覧会」開催

(中国)

成都発

2019年06月17日

貴州省貴陽市で5月26~29日、2019中国国際ビッグデータ産業博覧会が開催された。2015年から毎年同市で開かれ、今年は5回目の開催となった。

「イノベーションの発展促進、データは未来を創り出す」を今回のテーマにした博覧会には、華為技術(ファーウェイ)やアリババ、中国大手通信業者をはじめ、国内外から前年比15.5%増の448の企業・団体が出展し、第5世代移動通信システム(5G)や人工知能(AI)などの分野における最新技術の紹介や、体験コーナーが設けられた。

博覧会事務局の発表によると、会期中に12万5,000人超が来場し、スマート製造、モノのインターネット(IoT)、スマート物流、ビッグデータ電子情報産業に関する125件(前年比15.7%増)のプロジェクトが締結された。契約額は4.5倍の1,008億元(約1兆6,128億円、1元=約16円)に上った。

写真 中国移動による「5G機械遠隔操作システム」(ジェトロ撮影)

中国移動による「5G機械遠隔操作システム」(ジェトロ撮影)

貴州地場企業pixmovingが開発した、無人運転車両に使う車台(ジェトロ撮影)

貴州地場企業pixmovingが開発した、無人運転車両に使う車台(ジェトロ撮影)

習国家主席、各国と連携したビッグデータ産業の発展に意欲

5月26日の開幕式では、習近平国家主席や国連のアントニオ・グテーレス事務総長などから祝賀メッセージが寄せられたほか、工業情報化部の苗圩部長、孫志剛・共産党貴州省委書記、諶貽琴貴州省長、国際電信連盟秘書長の趙厚麟氏も出席した。

習国家主席は祝電の中で、「インターネット、ビッグデータ、AIなど新世代の情報技術は急成長し、各国の経済・社会発展、国民生活に大きくかつ深い影響をもたらしている」と指摘し、「各国は互いに連携と協力を強化し、交流を深め、デジタル化、インターネット化、スマート化に伴う発展機会を共同で捉え、ビッグデータ産業発展が法律、安全、政府統治などの面における挑戦にうまく対処すべきだ」と述べ、各国と連携したビッグデータ産業の発展に意欲を見せた。 

写真 中国電信による「5G救急システム」(ジェトロ撮影)

中国電信による「5G救急システム」(ジェトロ撮影)

5Gなどの先端技術を利用して産業・生活の変革に取り組む

今回の博覧会で注目されたのが、中国電信、中国移動、中国聯通の中国大手移動通信業者による、5Gの運用に基づいて開発した救急システム、スマート家庭システム、バスの顔認識決済システム、機械遠隔操作システムなどだった。

また、ファーウェイ、NTTデータ、ソニーなどの中国内外の有力企業は、スマートシティー、スマート物流、スマート製造などに関連するソリューションやサービスを展示した。

さらに、パトロールロボット、ペットロボット、仮想現実(VR)幼稚園、自動運転など、アミューズメント、教育、防犯、交通など生活のさまざまな分野でのAI技術開発事例が紹介された。

(郭穎)

(中国)

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