関税評価方法の通達修正を準備

(ベトナム)

ホーチミン発

2019年05月13日

ベトナムでは現在、関税評価方法(注)を規定する2015年3月15日付通達39/2015/TT-BTCの修正準備が行われている。今回の修正は、WTO関税評価協定の技術的内容を完全に国内法令に取り込むことが目的だ。また迅速通関のため、輸入通関時と事後調査時(通関後に税関が行う確認検査)の2段階の関税評価の検査内容を明確に規定している。税関総局輸出入局はドラフトを2019年4月中に財務省に提出し、5月に関係省庁や産業界、企業からのコメントを受け付け、6月に財務省が通達に署名する予定だ。

通達修正の結果、現在の通関時の価格確認から、事後調査時の確認に比重を置くとみられ、通関時の確認を理由とした貨物引き取り遅延の問題が解消されるかが注目される(税関オンラインニュース4月18日、26日)。ベトナムでは、税関から「一般的な価格より低い」という理由で、申告価格(取引価格)が否認され、価格修正に対応するため貨物引き取りに時間がかかってしまうとの声が聞かれる。

(注)価格を課税標準として関税が課される輸入貨物について、その課税標準となる価格(課税価格)を、法令の規定に基づいて計算・決定すること。関税評価について、WTO関税評価協定では輸入貨物の課税価格の計算は原則として「輸入貨物の取引価格による方法」とし、その他の方法も規定している。

(小林亜紀)

(ベトナム)

ビジネス短信 f97605836c6473b5