人気の海外旅行先、東京が初のトップに

(中国)

上海発

2019年05月10日

中国のオンライン旅行会社最大手のシートリップ(携程)が4月23日、「2018年中国旅行口コミランキング」を発表した。上海市は3年連続で最も人気のある国内旅行先となった(表1参照)。このランキングは、3億人ともいわれる同社の会員による3カ月間の投票結果で、旅行業界のオスカー賞とも言われている。

表1 最も人気のある国内旅行目的地

専門家によると、上海市は「魔都」として、外灘、東方明珠、豫園などの有名な観光スポットの人気が依然と高いほか、近年では新天地やディズニーランドの人気も高い。また今回、重慶市が初ランクインでいきなり4位に選ばれた。専門家は、重慶を訪れた若者が携帯アプリの「抖音」(Douyin)や「小紅書」(RED)などで、観光スポットではないところの景観をショートビデオで撮り、アプリで流し、口コミ効果が得られたことが原因だと分析している。

抖音によると、1月の国内のアクティブユーザー(DAU)は1日当たり2億5,000万人を突破し、月平均のアクティブユーザーの実数は5億人を超えたという。旅行客がその町のスポットをショートビデオで撮り、ネット上で多くの人々に共有することで、地元の人も気づかないうちに、そうしたスポットが観光地として有名になっていく。こうした動きが今後さらに広がることが予測される。

一方、最も人気のある海外旅行先は、2017年までのプーケット島(タイ)に代わり、東京がトップとなった(表2参照)。ここ2年の傾向から見ると、中国人がよく行く海外旅行先は依然として日本や東南アジアだ。しかし、「一帯一路」の政策によって、欧州諸国に行く観光客もそれなりに増えており、2017年のランキングでは、リゾート地が多くランクインしたのに比べ、2018年ではモスクワ、ローマなどのような「一帯一路」沿線国が加わり、歴史ある古跡を訪れ、文化的な旅行を求める観光客が増えたことがうかがえる。

表2 最も人気のある国外旅行目的地

(呉秀媛)

(中国)

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