タミル・ナドゥ州議会補欠選挙、与党が単独過半数を維持

(インド)

チェンナイ発

2019年05月27日

インド南部タミル・ナドゥ(TN)州議会で空席となっていた22議席の補欠選挙の開票が5月23日に行われ、与党の全インド・アンナ・ドラビダ進歩連盟(AIADMK)が9議席を獲得し、単独過半数を維持した(図参照)。補欠選挙は、下院総選挙期間中の4月18日と5月19日に投票が行われた。最大野党のドラビダ進歩連盟(DMK)はAIADMKを上回る13議席を得たものの、野党の合計議席数が過半数に届かず、政権交代の実現とはならなかった。AIADMKのエダバディ・K・パラニスワミ州首相は続投する。

今回の補欠選挙では、選出された政党からの離反防止を定めるインド憲法の規定により議員資格を剥奪された18人の議席と、死去などで空席となった4議席の計22議席が争われた。

図 選挙前と選挙後の政党別TN州議会議席数比較

TN州では、DMKが1967年に初めて州議会で政権の座に就いて以降、50年以上にわたりAIADMKとDMKのいずれかが政権を担っている。今回の補欠選挙は両党にとって、州の政治に長年多大な影響を与えてきたリーダーを失って初めて臨む、政権の座をかけて争う選挙だった。AIADMKでは過去5回計14年間、州首相を務めたジャヤラリタ・ジャヤラム氏が2016年12月に、DMKでは過去5回計18年間、州首相だったM.カルナニディ氏が2018年8月に、それぞれ死去した。その2党が議席を分け合う結果となった。

下院総選挙で圧勝したインド人民党(BJP)と下院最大野党の国民会議派は議席を獲得できなかった。

インドの州議会議員の任期は5年で、解散がなければ、次回のTN州議会選挙は2021年5月に行われる予定だ。

(坂根良平)

(インド)

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