エーザイがベンチャー投資事業を開始、将来的にはボストンやサンフランシスコにも拠点を設置へ

(日本、米国)

米州課

2019年05月10日

エーザイ(本社:東京都)は5月9日、創薬イノベーションなどの加速に向けて、革新的技術の発掘とそれを有するベンチャー企業の支援や将来的な提携を目的に、ベンチャー投資事業を開始したと発表した。年間30億円をめどに5年間、総額150億円の枠内で投資を行う。まずは東京で開始し、今後、米国のデジタルヘルス、バイオベンチャーの2大クラスターであるマサチューセッツ州ケンブリッジ(ボストン市に隣接)およびカリフォルニア州サンフランシスコにもサテライトオフィスを設置して、投資地域を拡大する予定という。

同社は、「神経」「がん」を中心とする次世代治療薬の創出を目指し、グローバルに有する創薬拠点を中心にさまざまなアプローチによる研究開発活動を行っている。本ベンチャー投資事業でも、神経領域およびがん領域でのエーザイの研究とのシナジー効果が期待できるベンチャー企業などが投資対象となる。

また、エーザイは日本において、同社の持つ経験、ノウハウ、臨床データなどに加えて、外部のビッグデータやゲノムデータなどを活用してプラットフォームを確立し、製薬企業のほか、行政、医療機関、介護施設、診断薬開発企業、IT 企業、保険会社などのパートナーと連携してエコシステムを構築することを目指しており、本ベンチャー投資事業を通じてアカデミアや創薬ベンチャー、ITベンチャーなどとの協業を進めたい考えだ。

(藤井麻理)

(日本、米国)

ビジネス短信 edea6efe98b7ab20