平均貸出金利が5%を切り、過去10年で最低水準に

(モロッコ)

ラバト発

2019年05月24日

モロッコ国立アル・マグリブ銀行(中央銀行)の2019年第1四半期(1~3月)報告書(5月発行)によると、民間金融機関の平均貸出金利が4.89%となり、過去10年で初めて5%を切った。2018年第4四半期(10~12月)と比べ、17ベーシスポイント(bp)下がり、過去1年間では73bp低下した。

法人に対する貸出金利は2018年第4四半期の4.90%から4.68%に低下した。法人規模で比較すると、中小企業に対して5.90%から5.57%に、大企業に対しては4.57%から4.42%に低下した。個人への貸出金利は5.68%から5.60%に下がった。

住宅ローンの貸出金利は、前期に比べ26bp下がり5.16%、設備投資に対するローンは、6bp下がり4.80%に、消費者ローンは4bp下がり6.41%となった。

2016年に中央銀行が政策金利を2.5%から2.25%に引き下げ、また商業銀行間の競争などにより、平均貸出金利は年々低下傾向にあった。かつてない低金利が今後の起業や企業投資、個人消費などを促すことにつながるか注目される。

(本田貴子)

(モロッコ)

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