マルホ発條工業、インドネシア・バタム島に工場を開所

(シンガポール)

シンガポール発

2019年05月22日

マルホ発條工業(本社:京都市)は5月15日、シンガポール国境近くのインドネシア、リアウ諸島州バタム島のバタミンド工業団地内に、ばねを製造する工場を開所した。同社が海外にばねの製造拠点を持つのは、バンコク、シンガポールに次いで、バタムが3カ所目となる。

マルホ発條工業は2018年2月、シンガポールでばねの製造・販売会社ニッショー・プレシジョンを買収し、100%子会社とした。同シンガポール子会社の顧客の多くがバタム島のため、同子会社を通じて同島への進出を決めた。今回開設したバタム工場は、2019年6月中に本格稼働の見通し。バタム島でばねを製造するのは、同社1社のみ。このため、マルホ発條バタムの藤本弘泰社長は「同社のばね製品への引き合いは好調だ」と語る。

バタム日本人会には2019年4月時点で、日系企業24社が登録する。バタム島では2000年代に、賃金上昇や労働争議の悪化などを受け、日系企業を含む多くが製造拠点を撤退した。しかし、近年では欧米企業や日系、韓国、台湾などの企業による新規投資や工場拡張の動きが相次いでいる(2019年3月27日付地域・分析レポート参照)。バタム島における日系の製造拠点の新設は、マルホ発條工業が4年ぶりとなる。

写真 工場開所式典でテープカットするマルホ発條工業の今井良平社長(右端)と、マルホ発條バタムの藤本社長(中央)(ジェトロ撮影)

工場開所式典でテープカットするマルホ発條工業の今井良平社長(右端)と、マルホ発條バタムの藤本社長(中央)(ジェトロ撮影)

(本田智津絵)

(シンガポール)

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