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フン・セン首相、前払い法人税の撤廃を宣言

(カンボジア)

プノンペン発、アジア大洋州課

2019年05月29日

カンボジアのフン・セン首相は5月29日、東京都内で行われたジェトロ、カンボジア開発評議会(CDC)、みずほ銀行主催の「カンボジア投資セミナー」に登壇し、前払い法人税の撤廃を宣言した。撤廃の時期について、フン・セン首相は「2019年末かそれよりも早く、大臣令(Prakas)で発表される」と言及した。

フン・セン首相が撤廃を約束したのは、毎月の売上高の1%を月次で申告納付しなければならない前払い制度。当該制度に基づき支払った法人税の総額は、年度末に算出する要納税額から差し引かれるため、最終的には前払い分だけ年度末に納付する税額が少なくなる。一方、前払い総額が年度末に算出する要納税額を超える場合であっても、還付されることはなく、翌年度以降に繰り越しされる。しかし、年末の調整がうまく機能しておらず、進出日系企業は余分に法人税を支払わざるを得ない状況にあった。

カンボジア日本人商工会(JBAC)は以前から、前払い法人税の存在が事業上の大きな負担であるとして、日本・カンボジア官民合同会議などの場を通じ、制度の見直しや過払い分の還付の徹底などの要請を行っていた。そのような状況を踏まえ、ジェトロの佐々木伸彦理事長は、本セミナーに先立って行われたフン・セン首相との会談において、同首相に対し当該税制度の問題点を指摘し、事態の改善を直接要請した。

今回の発表は、同要請を受けたフン・セン首相自身が、事態を認識し制度そのものの撤廃を決断したもの。約300人のセミナー参加者を前に「国際的に競争力のある税体系を構築するため、毎月1%の前払い法人税の撤廃を約束する」と宣言した。カンボジア政府は、2019年1月に商業省管轄の「カムコントロール」の廃止を決定するなど(2019年2月6日記事参照)、投資環境の改善を着実に進めている。

写真 基調講演するフン・セン首相(ジェトロ撮影)

基調講演するフン・セン首相(ジェトロ撮影)

セミナー終盤には、投資に関するワンストップサービス機能を有するCDCとジェトロの間で、投資促進協力に係る覚書(MOU)がフン・セン首相の立ち合いの下、締結された。CDCとジェトロは、日系企業の対カンボジア投資を協力して支援し、カンボジアと日本の経済関係をより強固なものにしていくことで合意した。

写真 フン・セン首相(中央)立ち合いの下、覚書を交換したソク・チェンダCDC事務局長(左)とジェトロの佐々木理事長(右)(ジェトロ撮影)

フン・セン首相(中央)立ち合いの下、覚書を交換したソク・チェンダCDC事務局長(左)とジェトロの佐々木理事長(右)(ジェトロ撮影)

(宮尾正浩、渡邉敬士)

(カンボジア)

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