広州市の1~3月GRPは7.5%成長、第三次産業が回復

(中国)

広州発

2019年05月17日

広州市統計局の4月25日の発表によると、2019年1~3月の広州市の域内総生産額(GRP)の成長率は7.5%、総額は5,507億7,100万元(8兆8,123億3,600万円、1元=約16円)だった(図参照)。成長率は前年同期より3.2ポイント上昇した。

産業別の成長率は第一次産業が3.4%、第二次産業が5.1%、第三次産業が8.7%だった。第三次産業は前年同期を5.1ポイント上回り、全体を大きく引き上げた(表参照)。

図 広州市のGRP成長率〔前年(同期)比〕
表 広州市の2019年1~3月の主要経済指標

米国との貿易額は大幅減

項目別では、固定資産投資は前年同期比19.1%増(伸び率は前年同期より16.6ポイント上昇)と大きく伸びた。うち、不動産開発投資が12.2%増(12.3ポイント上昇)、インフラ投資が30.4%増(20.4ポイント上昇)となった。業種別では、自動車製造業は11.6%増(2018年通年:1.6%増)、自動車部品製造業は29.2%増(6.3%減)と、2019年に入り投資が回復傾向にある。

社会消費品小売総額は前年同期比7.7%増(0.7ポイント減少)の2,414億6,800万元となった。うち、卸・小売額は7.5%増の2,113億4,618万元、宿泊・飲食業収入は9.4%増の301億2,188万元だった。

貿易額は前年同期比2.8%減(7.4ポイント上昇)となった。うち、輸出が14.7%減(0.7ポイント減少)、輸入が13.8%増(18.0ポイント上昇)だった。

1~2月の実績(税関統計)は、国・地域別では米国向けの輸出が35.7%減の95億3,627万元、輸入が19.8%減の47億7,269万元となった。日本向けは輸出が0.5%減の36億8,718億元だったが、輸入は37.7%増の138億9,915万元で、貿易額はASEAN、EUなどを除く単独の国・地域で首位となった。

同じく1~2月実績で品目別の輸出をみると、機械・電気製品が15.5%減(輸出に占めるシェア:22.2%)、ハイテク技術製品が2.8%減(7.0%)、衣類および衣類付属品が26.7%減(3.9%)、家具および部品が27.3%減(1.4%)、紡織用繊維および製品が29.3%減(1.3%)、履物類が32.9%減(1.2%)となり、シェア上位製品の多くが減少した。

自動車生産量は減少

一定規模以上(注)の工業企業の付加価値増加額は、前年同期比5.6%増(1.5ポイント減少)の1,037億200万元だった。製品別の生産量は、自動車が6.0%減の63万7,900台となった。また、輸出減の影響もあってか、衣類が3.5%減、家具が7.4%減となった。一方で、ICは73.3%増と大幅に増加した。

第三次産業について、一定規模以上のサービス業企業の営業収入(1~2月)は前年同期比16.8%増の1,771億5,100億元となり、うち全体の4割を占める交通運輸・倉庫・郵便が15.7%増、情報通信・ソフトウエア・情報技術サービスが22.9%増と高い伸びを示した。

(注)主要業務収入が2,000万元以上の卸売業、500万元以上の小売業の法人、主要業務収入が2,000万元以上の工業企業法人など。

(河野円洋)

(中国)

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