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域内デジタル貿易の枠組みとしてのデジタル単一市場戦略

(EU)

ブリュッセル発

2019年05月30日

EUは2015年から、「デジタル単一市場(DSM)」戦略(地域・分析レポート特集「デジタル単一市場」参照)でデジタル市場統合に取り組んでいるが、これはEU加盟国間のデジタル貿易の枠組みとも位置付けられている。DSMの枠組みにおいて、ジオブロッキング(EU域内の特定国の顧客に対するオンライン販売を制限・差別する行為)の禁止や、オンライン・コンテンツ・サービスの越境ポータビリティー(携帯性)、データ・ローカリゼーション(データの国内での保存・処理を義務付ける規定)の禁止を含む非個人情報の自由な移動などが既に実現している。

EU規制の域外への影響には要注意

加えて、2018年4月に欧州委員会が提案した、オンライン仲介サービス(プラットフォーム)における企業ユーザーの公平性と透明性に関する規則が4月に欧州議会で可決、EU理事会(閣僚理事会)での承認を待つ状態となっている。この規則には、プラットフォームによる不公正な慣行の禁止(説明のないアカウント凍結の禁止など)、透明性向上(製品・サービスのランキングに利用する基準の公開など)、紛争解決(プラットフォームに対する苦情対応制度の設置義務付けなど)に関する規定が盛り込まれた。その一方、欧州委が2018年3月に提案した、デジタル経済への課税提案(2018年4月5日記事参照)は一部加盟国の強い反対により審議が頓挫。多国間でのデジタル課税枠組みはOECDでの議論に引き継がれたことを受け、デジタル課税推進派の加盟国がそれぞれ自国内での導入の検討を進めている(2019年4月10日記事参照)。

EUの規制が域外にも影響を及ぼすケースもある。2018年5月に適用開始された一般データ保護規則(GDPR)は、EU域内で取得した個人データを域外に移転することを原則禁止しており、EU域境をまたいだデジタル貿易でも注意が必要だ(注)。また、5月17日に公布された著作権指令の改正案では、コンテンツ共有プラットフォームにアップロードされた著作物の利用許諾や、報道出版物のオンライン利用に関する規定が含まれており、域外の事業者への影響も予想される。

(注)日EU間では個人データ保護水準の相互十分性を認定(2019年1月24日記事参照)。

(村岡有)

(EU)

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