第1四半期のGDPは3期ぶりのプラス成長

(イタリア)

ミラノ発

2019年05月08日

イタリア国家統計局(ISTAT)は4月30日、2019年第1四半期のGDP成長率(速報値)が前期比で0.2%、前年同期比で0.1%だったと発表した。2018年第3~4四半期に2四半期連続したマイナス成長から、3期ぶりにプラス成長に回帰した。各項目別の数値などは5月31日の確定値発表で明らかになる予定だ。

経済財政省が4月9日に政府財政文書において発表していた2019年の年間GDP成長率予測0.2%とほぼ同等の成長率を第1四半期で記録したことから、ルイジ・ディ・マイオ経済開発相兼労働・社会政策相兼副首相やジョバンニ・トリア経済・財政相は経済の先行きに前向きな見解を示した。

一方、民間シンクタンクであるイタリア産業総連盟研究所(CSC)は経済の先行きに関し慎重な見方をしている。同研究所は、2019年第1四半期の工業生産の回復は在庫の一時的な積み上げが寄与したもので、その後の受注の減少傾向、投資の低調、雇用の低調などによる消費の低迷の影響を指摘しており、第2四半期の成長について厳しい見方を示している。

(山内正史)

(イタリア)

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