沖合の石油ガス18鉱区の採掘権、13社に付与

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年05月27日

アルゼンチン政府は5月16日、エネルギー庁決議第276/2019号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを官報公示し、国際大手石油会社(IOC)を含めた13社に、アルゼンチン沖の石油ガス鉱区の採掘権を付与した。18鉱区に対して7億2,400万ドルの投資が行われることになる。

今回対象になったアルゼンチン領土に面する大西洋沖の鉱区域は、南部のアウストラル(面積1万4,200平方キロメートル、水深100メートル)、同じく南部のマルビナス・オエステ(面積8万6,400平方キロメートル、水深100~600メートル)、東部ブエノスアイレス州沖のアルヘンティナ・ノルテ(面積10万2,000平方キロメートル、水深200~1,300メートルおよび1,200~4,000メートル)の3区域にわたる。2018年11月に38鉱区域の国際競争入札を開始し、4月に開札した結果、18鉱区が落札となった。

落札企業と金額はエネルギー庁のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから確認が可能。落札企業には米国エクソンモービルや米国シェル、英国BP、フランス・トタルといった国際大手石油会社も含まれる。日本企業では、三井物産がENI、テクペトロルとコンソーシアムを組んで参画している。これら企業は今後11年間(深海部は13年間)以内に採掘を行っていき、最大35年間のコンセッションを申請することができる。

なお、今回の鉱区域の一部は、アルゼンチンと英国との間で領土問題となっているマルビナス諸島(英名ではフォークランド諸島)に近接している。「クラリン」紙(5月17日付)によると、南部ティエラ・デル・フエゴ州のロサナ・ベルトネ知事は落札企業2社がマルビナス諸島政府と何らかの契約関係を有していたとして、10月の大統領選挙でクリスティーナ・フェルナンデス・キルチネル元大統領が率いる野党ペロン党急進派が勝利した場合には認可の取り消しを求めていくと述べている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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