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中国から生産移管進むバングラデシュの縫製業

(バングラデシュ)

ダッカ発

2019年05月31日

中国に次ぐ世界2位の縫製品輸出国であるバングラデシュに、2018年から縫製品のオーダーが再び増えている。2018年のバングラデシュから日本への縫製品(HSコード61~63類の合計値)の輸入額は、前年比28.2%増の約1,294億円となった(図参照)。近年、世界最大の縫製品輸出国である中国では人件費が上昇しており、品目によっては日本企業が中国での委託生産のメリットを享受することが難しくなっている。中には、バングラデシュなど他国へ生産を移管するケースもある。さらに、2018年には中国で排水処理などの環境規制が強化され、縫製工場が閉鎖に追い込まれる事態も発生している。こうしたことが、中国から他国への生産移管に拍車を掛けているようだ。バングラデシュでは2018年来、日系繊維商社の進出が相次ぎ、ジェトロへの縫製関係の相談も急増している。

図 縫製品のバングラデシュから日本への輸入額の推移

縫製業は、トレンドの流れが速く、自動化対応が難しいため、ミシン操作の人手が必要だ。バングラデシュは豊富で安価な労働力が魅力で、6,000社程度の縫製品輸出業者がおり、国全体の輸出額の8割を占める一大産業だ。同国で縫製工場を経営する日系企業は「日本からのオーダーが増加している。中国の生産減少分がバングラデシュにシフトしているようだ。発注増に対応できず一部を外部委託に出している」と漏らした。ユニクロやジーユーなどのブランドを展開するファーストリテイリングが2019年3月に公表した「主要縫製工場リスト」では、全242工場のうち、バングラデシュは24工場で、中国(128工場)、ベトナム(45工場)に次ぐ規模となっている。

魅力の陰に多くの課題も

バングラデシュの縫製業の活況とは裏腹に、企業にとっては課題が山積みだ。2018年末の総選挙前に縫製業の最低賃金が5,300タカ(約6,890円、1タカ=約1.3円)から8,000タカに引き上げられた。また、全量輸出を前提に生産する輸出加工区(EPZ)では、毎年10%の賃金上昇が義務付けられており、労賃が企業収益を圧迫する要因になっている。バングラデシュは2018年から天然ガスの輸入も開始しており、今後は人件費のみならず光熱費の上昇もコスト要因となりそうだ。現地では、縫製工場の集約や買収が進むとの臆測も出ており、今後もバングラデシュの縫製業界の動きから目が離せない。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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