連邦総選挙で与党勝利、スコット・モリソン首相が続投へ

(オーストラリア)

シドニー発

2019年05月20日

オーストラリアで5月18日、連邦議会総選挙が行われた(2019年4月23日記事参照)。即日開票の結果、下院151議席のうち保守連合(自由党、国民党)が75議席、労働党が65議席、その他(緑の党、カッターズ・オーストラリアン党、ワンネーション党、センターアライアンス党など)が6議席を確保した(5月20日午後0時50分現在)。未確定の議席があり、保守連合が過半数を維持できるかは不明だが、政権維持を確実なものとした。

各種調査会社がこれまで実施してきた世論調査では、労働党が優勢だっただけに、意外な結果とする見方が多い。労働党のビル・ショーテン党首は18日深夜に行われた記者会見で、「労働党が政権を確保できないことは確実」として、辞任を表明した。

「奇跡を信じてきた」と語ったスコット・モリソン首相は、18日深夜に行われた記者会見の中で、全国民に対し、経済安定化への取り組みを継続する意欲を示した。

労働党の気候変動対策などが影響

今回の結果に関し、5月20日の「ABC」紙(電子版)は労働党が推し進める気候変動対策に関連し、「脱石炭を実現することによるクイーンズランド州地域の雇用喪失」やそれに伴う「経済の不安定化」「ビル・ショーテン党首のカリスマ性の欠如」を敗因の一部と論じた。

5月20日の「オーストラリア・フィナンシャル・レビュー」紙も、労働党の気候変動対策に関し、「誰がそのコストを負担するかといった将来見通しの欠如」をはじめとする、政策スローガンの失敗を指摘した。

(小柳智美)

(オーストラリア)

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