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2018年の出生数は378万8,235人、32年ぶりの低水準

(米国)

ニューヨーク発

2019年05月28日

米国国立衛生統計センター(NCHS:National Center for Health Statistics)は5月15日、2018年の出生数(暫定値)を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。これによると、2018年は前年比1.7%減の378万8,235人となり、1986年(375万6,547人)以来、32年ぶりに380万人を下回る低水準となった(図1参照)。また15~44歳の女性1,000人当たりの出生数の割合を示す総出生率は、前年差1.3ポイント減の59.0と、統計開始以来最も低い水準となった。いずれも2007年(431万6,233人、69.3)にピークを迎えた後、11年間のうち10年間で前年比減となった。

図1 出生数の推移

30代後半などが増加に寄与した一方で20代が全体を押し下げ

母親の年齢別に出生数をみると、35~39歳(56万6,519人、前年比寄与度:0.3ポイント)や40~44歳(11万7,339人、0.1ポイント)などが押し上げに寄与した一方で、20~24歳(72万5,157人、マイナス1.0ポイント)や25~29歳(109万8,330人、マイナス0.6ポイント)などが全体を押し下げた(図2参照)。NCHSのブレイディ・ハミルトン氏は、より年齢の高い母親による出産が増え、より若い母親による出産が減少する傾向が続いている、と述べた(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版5月15日)。

図2 出生数の前年比に対する年齢別寄与度(2017~2018年)

こうした傾向がみられる背景について、ノートルダム大学経済学部准教授のカセイ・バックル氏は、2007年から2016年にかけての出生率低下の約35%は、30歳未満や未婚女性などの意図せざる妊娠の減少によるもの外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、と指摘した。また、ペンシルベニア大学社会学部教授のハンス・ピーター・コーラー氏は、若年層を中心として自らの選択や経済的理由を背景に、学生に長期間とどまるか、仕事を続けようとする夫婦が増えていることも影響していると述べた(「タイム」誌電子版5月15日)。ミレニアル世代が今後、30代後半から40代前半を迎えるにつれて、出生率の回復が期待できるといった指摘もあるが、前出のバックル氏は、年を重ねるに従って妊娠の減少、結婚生活の失敗、経済面の停滞などのさまざまな要因が働き、先延ばしされていた分を完全に取り戻すには限界があると指摘した(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版5月15日)。

合計特殊出生率は人口置換水準を下回る

各年齢(15~49歳)の出生率を足し合わせ、1人の女性が生涯に産むことが見込まれる子どもの数を推計した合計特殊出生率は、2018年は前年比2.1%減の1,728.0(女性1,000人当たり)と、統計開始以来最も低い水準となった。一般的に、人口を維持するのに必要な水準(人口置換水準)は2,100とされるが、2007年(2,122.0)の後はこれを下回った状態が続いている。こうした変化などを受けて、2009年以降の人口増加率は0.9%を下回って推移し、過去と比べて低下傾向にある(図3参照)。

図3 米国の人口増加率の推移

(権田直)

(米国)

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