魚の油脂や冷凍紅ザケなどが増加に寄与、カナダの2018年対日農林水産輸入

(カナダ、日本)

トロント発

2019年05月24日

カナダ統計局が5月9日に発表した2018年貿易統計によると、カナダの対日農林水産品(HS01~23類、44類合計)輸入額は、前年比6.0%増の1億5,214万カナダ・ドル(約124億7,548万円、Cドル、1Cドル=約82円)だった。

2018年の対日輸入総額に占める農林水産品の割合は、2008年の0.5%から0.9%へと拡大した。なお、農林水産品の対日輸入額は2008年の7,212万Cドルから倍増した。

HSコード6桁で主要輸入品目を調べたところ、上位20品目は添付資料のとおりだった。

これらの上位20品目は農林水産全品目の対日輸入総額の62.6%を占める。例年、主要輸入品目に挙がる緑茶やソース・調味料、発酵酒、ごま油などのほか、2018年には、冷蔵の骨付きでない牛肉(14位、前年比82.9%増)、清涼飲料水(15位、68.8%増)、魚の油脂(17位、5.4倍)などが加わった。品目別の寄与度をみると、魚の油脂(1.6ポイント)や冷凍紅ザケ(1.0ポイント)が農林水産品の対日輸入額を押し上げた。

2018年12月30日の環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)発効(2018年10月29日記事参照)により、牛肉の関税は発効前の26.5%から6年をかけて段階的に削減・撤廃される。また、清涼飲料水の11%、魚の油脂の4.5%の関税はCPTPP発効と同時に即時撤廃となった。

上位20品目以内へ浮上した新たな品目の出現は、関税削減・撤廃を見越した各企業が輸入を増やしているためとも推察される。2019年は、CPTPP発効により、こうした商品群の輸入額がさらに増加する可能性もある。

(飯田洋子)

(カナダ、日本)

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