税関の品目分類検査に遅れ、体制強化に課題

(ベトナム)

ホーチミン発

2019年05月16日

ベトナムでの輸入通関に係る品目分類(HSコード)などの確認を目的とする税関検査について、日系企業から「輸入貨物の(品目分類の)分析結果が長期間経っても届かない」などの声が聞かれるようになっている。

現地報道によると、輸出入貨物の検査を行うベトナム税関検査局は、通関のための品目分類などの確認のため、年間平均1万5,000件のサンプルを分析している。税関検査局の分析担当者からは、「サンプルの送付が多過ぎて対応が難しい」との声が上がっている。通関審査を行う地方税関の職員が品目分類を参照するための「品目分類データベース(12万2,000品目)」などは整備されているものの、地方税関から税関検査局に品目分類の確認のために送付されるサンプルが多く、過去と同じ品目の分析依頼があって作業の重複が起きるなど、時間やコストのロスが生じている。

一方、地方税関からは、税関検査局への分析依頼から結果の通知受け取りに時間がかかっているため、各手続きに期間制限を設けるべきという指摘もある。税関総局は、税関検査局の担当者への研修実施などで改善を図っているが、従来にはなかった品目が輸出入されるなど、分析に時間を要しているのが現状のようだ。

4月30日の税関オンラインニュースによると、品目分類のためのサンプル分析の結果、45%が当初申告のHSコードが正しくなかったという。そのうち、税率がより高い品目へ修正されたものは約15%、より低い品目への修正は約9%だ。

(小林亜紀)

(ベトナム)

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