米中両国の追加関税率の引き上げ、在中米国企業の事業戦略に大きな影響

(中国、米国)

北京発

2019年05月24日

中国米国商会と上海米国商会は5月22日、米中両国による追加関税率の引き上げの在中米国企業の事業運営への影響調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。同調査は、両商会の会員企業に対し、5月16~20日にアンケート形式で実施したもの。約250社からの回答を得た。

同調査によると、「米国が2019年5月10日から2,000億ドル相当の品目に対して、追加関税率を10%から25%に引き上げたことによる事業への影響」について、「強い悪影響がある」という項目への回答率は37.7%、「やや悪影響がある」は37.2%だった。

また、「中国が6月1日から600億ドル相当の品目に対して、追加関税率を5~25%に引き上げることによる事業への影響」について、「強い悪影響がある」は32.6%、「やや悪影響がある」は42.3%だった。

「強い悪影響がある」と「やや悪影響がある」の回答率を合計すると、両国の追加関税率の引き上げにより、何らかの悪影響を受ける企業はともに74.9%と広範囲に及ぶことが分かる。

具体的な影響について、「関税引き上げの中国での事業運営への影響(複数回答)」では、回答比率が高い順に、「製品への需要の減少」(52.1%)、「生産コストの増加」(42.4%)、「製品価格の引き上げ」(38.2%)、「10%未満の利益の減少」(34%)、「10%以上の利益の減少」(27.3%)、「売り上げの顕著な(10%以上の)減少」(26.9%)などという結果だった(図1参照)。

図1 関税引き上げによる中国での事業運営への影響(複数回答)

今後の事業運営への影響について、「米中両国の追加関税率引き上げと貿易摩擦が事業戦略にどのように影響するか(複数回答)」では、「中国での事業運営をより『中国内で、中国向け』に再編成」が35.3%で最も回答率が高かった。次いで、「投資の取り消しや延期」(33.2%)となった。「影響なし」は14.3%だった(図2参照)。

図2 米中両国の追加関税率引き上げと貿易摩擦が事業戦略にどのように影響するか(複数回答)

また、「追加関税率の引き上げや米中貿易関係の将来への懸念から中国での生産拠点を他国に移転する/移転した場合、どの国に移転する/したか(複数回答)」との設問に対し、「生産拠点の移転の計画はない」が60.3%で最も回答率が高かった半面、具体的な移転先としては、東南アジアが24.7%、メキシコが10.5%に上った。

さらに、「2018年7月に追加関税率の賦課がなされて以降、非関税障壁による報復的措置を経験したか」については、「変化なし」が53.1%と最も回答率が高かった。一方、「検査(税、環境など)の増加」(20.1%)、「通関の遅延」(19.7%)などの項目への回答率も一定程度あった。

(藤原智生)

(中国、米国)

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