ビジネス環境改善に向け、進出日系企業と南ア政府が直接対話

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2019年05月30日

ジェトロは5月21日、南アフリカ共和国政府と南ア日本商工会議所(以下、CCIJ)の協力の下、在南ア日系企業との直接対話とセミナーをヨハネスブルクで開催した。シリル・ラマポーザ大統領の投資特使のプムンジレ・ランゲニ氏とヤコ・マレー氏、貿易産業省投資庁のユヌス・フーセン長官らも参加した。ラマポーザ大統領は「5年間で対内投資1,000億ドル」の目標を掲げており(2018年11月1日記事参照)、南ア政府は投資環境の整備、外国企業からの投資誘致に積極的だ。

セミナーに先駆けて実施した直接対話には、南ア政府関係者、日系企業関係者ら約40人が参加した。ランゲニ特使は冒頭、「日本企業と直接対話する機会は貴重。大統領が掲げる政策実現に向け、日系企業の活動が加速していくことを期待」と、本対話の意義を述べた。日系企業(自動車メーカー、商社など)からは、労務、法規制、インフラなどの個別課題が提起された。これを受け、マレー特使は「コメントに感謝。商工団体も交え、より具体的な議論をしていきたい」と述べた。CCIJの市川誠会頭からは「有意義な議論を持つことができた。今後も継続したい」との発言があった。日系企業は別途、特使との個別面談も実施した。

また、セミナーには約60人が参加した。ランゲニ特使から南アの外資誘致政策についての解説があり、ジェトロの平野克己理事からは日本のアフリカ事業戦略や、2019年8月末に横浜で開催予定の第7回アフリカ開発会議(TICAD7)における日本の役割についての説明があった。ランゲニ特使は日本との経済関係について、「南アの経済成長、雇用創出などのために日本との関係は重要。今年は日本でG20、TICAD7、ラグビー・ワールドカップが開催されるので両国のさらなる連携、関係強化に期待」とコメントした。また、フーセン長官は「ジェトロとは特に投資・貿易分野において良好な関係を築いている」と述べた。平野理事は「投資先としての南アの魅力を国内で発信していきたい。TICAD7を通じて、アフリカと日本との間での新しいビジネス機会についてさらに議論していく」と今後の展望を示した。

写真 セミナーで登壇するジェトロの平野理事(ジェトロ撮影)

セミナーで登壇するジェトロの平野理事(ジェトロ撮影)

(築舘弘和)

(南アフリカ共和国)

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