ラ・パンパ州知事選、ペロン党穏健派が勝利

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年05月24日

アルゼンチンのほぼ中央部に位置するラ・パンパ州の知事選挙が5月19日に開票され、中道左派のペロン党穏健派(正義党)で連邦下院議員のセルヒオ・シリオット候補が得票率52.66%(開票率99%)で初当選した。

同州は1983年の民政化以降、正義党が州知事職を占める牙城で、現職のカルロス・ベルナ知事も2015年から2期目を務めている。しかし、2018年にがんのため3期目の立候補を断念し、シリオット氏に白羽の矢が立った。

国政では、与党連合・カンビエモス、ペロン党急進派、同党穏健派といった三つどもえの構図だが、今回の州知事選は前回に続き、ペロン党穏健派とカンビエモスとの対決となった。得票率は、ペロン党穏健派候補が前回の46%から52.66%に増加したのに対し、カンビエモス候補は38.5%から31.83%に下げた。現下の経済状況でペロン党穏健派に追い風が吹いていることが確認できる。

シリオット次期知事は当選後のスピーチで、権利や社会的公正の拡大を強調した。5月18日にペロン党急進派の大統領候補になることが濃厚となったアルベルト・フェルナンデス元首相からも祝福のメッセージがソーシャルメディアを通じて伝えられるなど、今後のペロン党の合同も視野に入れた動きも見られた。

2019年はアルゼンチン全土で選挙が予定されている。6月2日にはコリエンテス州、サン・フアン州、ミシオネス州の3州で知事選挙が行われる。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

ビジネス短信 717079486db04115