ペプシコ・メキシコが40億ドルの投資を発表、グアナファトに新工場

(メキシコ)

メキシコ発

2019年05月17日

ペプシコ・メキシコは5月7日、メキシコにおける生産体制の強化およびインフラ整備を進めるため、今後2年間に40億ドルを投資すると発表した。本投資は、以下の4分野において実施され、3,000人の新規雇用を生み出すとしている。

  1. 農産物のサプライチェーン強化
  2. 生産インフラの拡大
  3. サステナビリティーへの取り組み
  4. 地域社会の発展

1.については、ジャガイモ、トウモロコシ、砂糖などの一次産品の生産拡大のため10億ドル以上が投入される予定。また、高品質なジャガイモの種子を安定的に供給できるよう、同社の農業開発センター(Centro de Desarrollo Agrícola)の機能強化を図る。2.については、1億900万ドルを投じ、グアナファト州に新工場を建設する。同工場では、「サブリータス」(Sabritas)のブランド名で展開するポテトチップスなどのスナック菓子を生産する計画。2025年には新工場の本格稼働により、さらに約1,000人の雇用が創出される見込みだ(「レフォルマ」紙5月7日)。3.については、製造過程における二酸化炭素の排出量削減と、再生可能エネルギーの活用に取り組むとともに、1,300万ドルを投資して商品の飽和脂肪酸含有量を減らしていくとしている。4.については、700万ドルを投じて、水道の整備、リサイクルの促進、栄養改善、女性のエンパワーメントに取り組むとし、メキシコ各地で15万人が裨益(ひえき)するとしている。

メキシコは、ペプシコにとって重要な市場かつ生産拠点だ。同社にとって、メキシコの生産拠点は中南米地域で最大、世界で2番目に大きい。1億2,533万人(2018年央、国家人口評議会見通し)の人口を擁し、1人当たりの名目GDPが9,807ドル(IMFの2019年4月推計値)のメキシコは、魅力的な市場でもある(2014年2月4日記事参照)。

2018年時点のメキシコの食品加工産業の粗付加価値額は8,124億ペソ(約426億ドル)、飲料産業を合わせると計1兆83億ペソ(約529億ドル)に及ぶ。近年、成長が著しい自動車産業の粗付加価値額は同年に437億ドルで、食品加工・飲料産業は依然として自動車産業を上回るメキシコ最大の製造業分野だ。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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