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カナダ食品安全規則施行から4カ月、国内食品生産業者も新規則対応に遅れ

(カナダ)

トロント発

2019年05月27日

カナダ食品安全規則が施行されたものの、国内では対応が間に合っていない業者もいる。フード・テクノロジー・コンサルティングのイバーナ・ロスキック氏は、新規則で採用されている予防管理計画の「結果に基づくアプローチ」がこれまで計画を策定したことのない業者にはハードルが高いと分析する。

(問)カナダ国内の食品企業の対応状況はどうか。

(答)大手では対応済みかもしれないが、中小企業では未対応のところも多いようだ。当社顧客の国内大手スーパーの食品安全担当者によると、3月時点で複数のOEM生産委託先の変更を迫られているということだった。食品検査庁の監査に伴い、委託先が書類の未整備でライセンスを剥奪され、製造がままならなくなったからだ。

(問)中小企業などの対応が遅れている理由は。

(答)慣れていない事業者にとっては、新規則の予防管理計画の「結果に基づくアプローチ」が理解しにくいことも理由の1つではないか。カナダ食品安全法および規則(以下、SFCA/R)の施行以前は、食肉、ハチミツ、卵、乳製品、メープルシロップが州をまたいで取引される場合、連邦政府から製造施設登録が義務付けられ、施設検査も定期的に行われてきた。一方、同じ食品であっても、州内でのみ製造・販売を行う場合は、州政府管轄となり、検査頻度は連邦政府に比べて低かった。こうした食品安全に対する一貫性が見られない状況を打開するため、必要最低限の食品安全規格を全ての食品を対象に課すことを念頭に、新しくSFCA/Rが施行された。それと同時に、これまで施設監査の対象となってきた食品に課されてきたHACCPをベースとした食品安全強化プログラム(Food Safety Enhancement Program、以下FSEP)が廃止された。FSEPでは、HACCPの策定プロセスが一つ一つ列記されていたが、新規則では、策定プロセスが明記されておらず、食品が安全であればどのようなプロセスでも構わないという「結果に基づくアプローチ」が採用されている。これまでFSEPを運用してきた企業にとっては、新規則の予防管理計画(Preventive Control Plan:PCP)はFSEPの延長線上と捉えられるものの、FSEPを知らない企業がいきなりゼロからPCPを策定するのは、具体性に欠いていて、かなりハードルが高い。食品検査庁からはPCPの策定方法ガイドも提供されているが、分かりにくい場合には、PCPの一種であるFSEPのガイドも参照すると良い。

なお、カナダ食品安全規則では、国外からの輸入食品については、輸入者が食品の安全性を保証することを条件に、輸入者に輸入ライセンスが与えられる。輸入者はPCPの策定を求められ、カナダ国外のサプライヤーに対し、(1)自らもしくは第三者が現場監査を行ってPCPを策定する、(2)国際的な食品安全規格の認証および補完する各種の証明書類(CCP、重要管理点)をカナダ公用言語(英語もしくはフランス語)で提出させる、のいずれかを実施することが求められる。輸入者向けPCP作成ガイドはリンク外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(飯田洋子)

(カナダ)

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