サンクトペテルブルクで日ロ地域交流フェスティバルを開催
(ロシア、日本)
サンクトペテルブルク発
2019年05月28日
在サンクトペテルブルク日本総領事館(以下、総領事館)は5月14~18日、日本の地方自治体とサンクトペテルブルク市との交流活性化を目的に「日ロ地域交流フェスティバル」を開催した。日本からは8自治体が参加し、企業関係者との交流や各自治体の魅力発信を行った。サンクトペテルブルクでのこうした取り組みは初めてとみられ、5月13日の日ロ知事会議(2019年5月16日記事参照)に知事が出席した日本の自治体も参加した。
本フェスティバルは「ロシアにおける日本年」の枠組みで実施され、総領事館の取りまとめの下、複数機関がそれぞれ主催する一連のプログラムで成る。具体的には、a.スタートアップピッチコンテスト(5月14日、主催:福岡市およびサンクトペテルブルクのアクセラレータ「テクノパーク」)、b.ビジネスセミナー・商談会(食品分野)(5月16日、ジェトロ)、c.ビジネスセミナー・商談会(都市インフラ分野)(5月17日、日本センター)、d.日ロ観光セミナー・交流会〔5月17日、日本政府観光局(JNTO)、総領事館〕、e.文化・観光フェア(5月18日、総領事館)で、日本側自治体は交流を希望する分野のプログラムに参加した(表参照)。
a.では、福岡市とテクノパークが両地域のスタートアップ企業による「ピッチコンテスト」を開催し、優秀企業に表彰と副賞の授与を行った。b.では、北海道と山形県酒田市が食品ビジネス関係者に自治体の魅力や商品〔調味料、野菜、日本酒、花卉(かき)〕の魅力をアピールしたほか、商談や企業視察を実施。c.では、大阪市による水道インフラ改善への取り組みや日本企業の持つ都市インフラ技術を紹介した。
d.では、ロシアの旅行会社に日本の自治体の観光情報を紹介したほか、サンクトペテルブルクの観光誘致拠点「ビジット・ペテルブルク」の東京拠点設立に関する合意署名がされた。e.は、ショッピングセンターで開催され、各自治体がブースでの情報提供やステージでの公演・コンサートを実施した。
サンクトペテルブルク市議会における市政府代表のユーリ・シェステリコフ氏は、フェスティバルに歓迎の意を表した上で、今後の協力の余地がある分野として保健や医学などを挙げ、日本の地方自治体との交流の一層の進展に期待を示した。本プログラムに参加した日本企業からは「本フェスティバルをきっかけに、商談の糸口ができた。今後、商談のフォローアップを行っていきたい」といった声が聞かれた。
(一瀬友太)
(ロシア、日本)
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