1~4月の自動車産業は生産・輸出・国内販売そろってマイナス

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年05月20日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は5月6日、2019年1~4月の自動車生産台数(大型トラック・バスを除く)が前年同期比31.6%減の10万6,986台、輸出台数は11.4%減の6万8,451台だったと発表した。

自動車生産は、4月単月では前月比3.7%増(3万294台)で若干のプラスとなったが、国内市場の悪化から現地自動車各社が生産調整の計画を立てるなど、縮小傾向にある(図参照)。輸出は、主要輸出先であるブラジルへの1~4月の輸出台数が前年同期比14.5%減(4万6,172台)と振るわない状況だ。部門別でみると、乗用車の輸出台数が40.5%減(2万1,196台)と大幅に減少している一方、価格の高い商用車は13.5%増(4万7,255台)で、乗用車の減少分を若干相殺し、全体の減少幅を抑えている。こうした状況下、政府は低迷する国内販売を補うため、5月9日からメルコスール域内向け自動車輸出時の間接税の払い戻し(レインテグロ制度)に関して、比率を2%から6.5%に引き上げるなどの輸出振興策を発表するなど対策を急いでいる(2019年5月13日記事参照)。

図 アルゼンチンの自動車生産台数の推移

国内販売の激しい落ち込みに輸入諸税率引き上げが追い打ち

国内販売の落ち込みも依然として続いている。アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によれば、1~4月の新車販売登録台数(重・軽商用車およびその他大型車を含む)は前年同期比50.1%減の17万6,054台だった。ACARAのリカルド・サロメ会長は、前年同期比での大幅な落ち込みについて、過去最高の販売登録実績を記録した2018年と比較していることに触れ、今後ゆっくりと回復へ向かう兆しを見いだしているとしている(「アンビト・フィナンシエロ」紙5月2日)。他方、5月6日に発表された輸入時に課される統計税の引き上げ(2019年5月8日記事参照)によって、製造コストや国内販売の多数を占める輸入車価格の上昇が予想されており、国内販売に影響が出ることが懸念されている。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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