エチオピア国際空港での通貨の持ち込み、持ち出しに注意

(エチオピア)

アディスアベバ発

2019年05月21日

5月に入り、エチオピアの玄関口ボレ国際空港で、日本人出張者がエチオピア通貨ブルを没収される事例が発生している。現金の持ち込み・持ち出し検査が厳格化している可能性があり、注意が必要だ。

エチオピアでは、中央銀行令(FXD/49/2017)により、外貨や内貨の持ち込み・持ち出し規制があり、ブルは(1)1,000ブルが上限(約4,000円、1ブル=約4円)、(2)隣国ジブチの場合は4,000ブルが上限だ。外貨は(3)エチオピア居住者(長期滞在者)は1,000ドル相当まで、(4)出張者や旅行者など短期滞在者は3,000ドル相当まで、自由に持ち込み、持ち出しできる。

ブルは、空港では外貨に再両替できず、市中銀行も支店では両替できない。各銀行の本店で、パスポートなどの身分証、出国航空券などを提示して両替できるが、長蛇の列に並ぶことが多い。夕刻では当日分の外貨がない場合もあり、日本路線を含め夜行便が多い長距離フライトの搭乗前に銀行本店に行っても、再両替できない可能性が高い。空港の免税品店はドルなど外貨しか受け付けない店もある。対応策としては、街中でブルを使い切るか、少額紙幣の外貨を小まめに両替するのを勧める。クレジットカードは大手ホテルなどでは使えるが、街中の店舗では使えないことが多い。

短期滞在者が上限額を超えて外貨を持ち込む場合、入国時に空港税関で申告する必要がある。最近は機内で税関申告書を配られることも少なく、空港でも特に目立つ注意書きはない。出国時には、財布やハンドバッグを係官が確認するケースもあり、税関申告時に発行される証明書を提示できなければ、上限を超えた外貨は没収される。外貨持ち込みの際にも注意が必要だ。

(関隆夫)

(エチオピア)

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