2018年の貿易、黒字幅が大きく縮小

(コートジボワール)

アビジャン発

2019年05月29日

コートジボワールの2018年の貿易額は、輸出が前年比10.3%減の6兆5,472億CFAフラン(約1兆2,440億円、1CFAフラン=約0.19円)、輸入が9.2%増の6兆1,068億CFAフランとなった(注、添付資料参照)。同国の貿易は恒常的に黒字で推移しているが、2018年は主要輸出産品カカオ豆の国際市況低迷による輸出の減少と、内需の拡大を反映した輸入の増加により、黒字幅は74.2%減の4,404億CFAフランに縮小した。

カカオ市況の低迷で輸出が減少、原油が輸入量を押し上げ

品目別では、輸出はカカオ豆が構成比27.5%で最大だった。生産量は天候良好により200万トンに達し、数量ベースで1.1%増加したものの、国際市況の低迷による価格の目減りで、金額ベースでは12.4%減少した。カカオ調整品は、輸出価格の軟化が響き7.6%減少した。原油は、数量ベースで17.2%減少したが、油価上昇が金額を押し上げ8.0%増加した。石油製品は、油価上昇と精製マージンの改善に伴う生産増加が相まって、金額ベース(16.4%)、数量(6.9%)ともに増加した。カシューナッツは、生産が増加し数量ベースで4.8%増となったが、国際価格の下落が響き金額ベースでは3.4%減少した。

国別では、輸出はオランダ、米国、ベトナム、ドイツ、フランス、ブルキナファソ、マリ、インドなどが上位を占めた。

輸入では、最大の品目である原油が、油価上昇と石油精製品の需要拡大により海外からの原料調達が増え、金額ベース(82.2%)、数量(51.9%)ともに増加し、構成比が14.1%に拡大した。一方で、石油製品は、国内精油所での生産増加を受け、数量ベースでは14.4%減少したものの、油価上昇により金額ベースでは1.9%増加した。自動車などの輸送機器は、中古車両の輸入制限(2019年4月24日記事参照)により数量ベースでは11.5%減少したが、輸入価格の上昇により金額ベースでは8.2%増加した。

国別では、輸入は中国、ナイジェリア、フランス、インド、オランダ、米国などが上位を占めた。

(注)ジェトロが5月にコートジボワール税関総局から入手した通関統計データ。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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