米NCR、セルビアにITキャンパスを建設
(セルビア)
ウィーン発
2019年05月23日
決済システムなどの米国テクノロジー大手のNCRは5月14日、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領やカイル・スコット駐セルビア米国大使ら要人を迎え、同国での新たな「テクノロジー・キャンパス」の起工式を行った。
最新設備を備えるとされるNCRのテクノロジー・キャンパスの建設には、2021年の完成を目指して9,000万ドルが投じられる。ノビ・ベオグラード地区に建設されるこのキャンパスは建屋面積3万平方メートルで、完成すれば1,000人以上の追加雇用が見込まれているという。同社は現在、セルビア国内に17言語を話す3,135人の従業員を抱える。セルビア政府は本投資に対し、1,400万ユーロの支援を行うことを表明した。
式典に参列したマイケル・ヘイフォードNCR社長兼最高経営(CEO)は、セルビアに投資を決めた理由は、同国の投資環境が良好なばかりではなく、精力的かつ献身的で素晴らしい職業倫理を持つ人材がいるからだと述べている。
セルビア政府は情報通信技術(ICT)産業の支援に力を入れており、ネナド・ポポビッチ技術革新・開発担当無任所相によると、2018年のセルビアのICT関連の輸出額は過去最高の11億3,500万ユーロ(2017年は9億ユーロ)を記録した。
セルビア投資庁(RAS)によると、同国ではIT関連企業が約1,600社あり、1万4,000人を雇用している。米国のマイクロソフトが世界4番目の研究開発センターをセルビアで開業したほか、日系企業としては、NTTデータ・ルーマニアとSRAが同国に既に進出している。ベオグラード近郊のボルチャには、中国企業による「テクノパーク建設」の話も出ているなど、今後しばらくはセルビアのICT産業関連の動向を注視していく必要がありそうだ。
(鈴木秀男)
(セルビア)
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