新内閣を発表、閣僚ポストを36から28に削減

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2019年05月31日

南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は5月29日、新内閣の人事を発表した(添付資料参照)。5月8日に実施された総選挙の結果、与党アフリカ民族会議(ANC)が過半数の議席を得て勝利した(2019年5月14日記事参照)。5月22日にラマポーザ大統領の再任が国会で承認され、新内閣の顔ぶれが注目を集めていた。

ラマポーザ大統領は、ジェイコブ・ズマ前大統領時代に36まで増加した閣僚ポストを2018年11月に35とし、今回は28に削減した。鉱物資源省とエネルギー省の統合などで14省を7省に再編し、同大統領が公言していたポスト削減・行政スリム化に踏み切った。また、ムプマランガ州知事時代の汚職がうわさされたデービッド・マブーザ氏を副大統領職に再任するなど、ANC党内の派閥のバランスに配慮したと人事も見られた。

経済界の信頼が厚いティト・ムボウェニ財務相や、電力公社エスコムの経営再建に取り組むプラビン・ゴーダン公共企業相ら10人が留任した。ラマポーザ派として知られるナレディ・パンドール外相(前高等教育・訓練相)や、ズマ前大統領の前妻でラマポーザ大統領とANC総裁選挙を戦ったンコサザナ・ドラミニ・ズマ協調統治・伝統業務相(前大統領府相)ら、11人が横滑りとなった。他方、前ケープタウン市長で、第1野党民主同盟(DA)から離脱したパトリシア・デ・リル公共事業・インフラ相の入閣には国内外から驚きの声が上がった。ラマポーザ大統領は南アの歴史上初めて閣僚の男女比が半々になったことを強調した。

ラマポーザ大統領が推進する経済政策に関係する閣僚の多くが留任したことから、ビジネス界は新内閣人事をおおむね歓迎しているとみられる。国内最大級の業界団体であるビジネス・リーダーシップ・南アフリカ(BLSA)のボナン・マハレ最高経営責任者(CEO)は現地ニュースサイトEWNのインタビューに対し、「(この新内閣の下)経済政策の実行を推し進めていくべきだ」とコメントした。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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