北京市の最低賃金、7月1日から3.8%増の2,200元に

(中国)

北京発

2019年05月22日

北京市人力資源社会保障局は5月10日、「北京市の2019年の最低賃金基準の調整に関する通知」(京人社労発[2019]71号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。7月1日から北京市の正社員(全日制労働者)の最低賃金基準が、月額2,120元から2,200元(約3万5,200円、1元=約16円)に引き上げられる。上昇率は3.8%で、2018年の6.0%を下回った。時給換算では、12.18元から12.64元に引き上げられることとなる。

経済成長率が鈍化している中で企業負担を軽減するため、2016年以降から各地方では最低賃金の改定水準と改定頻度の見直しを行っている。北京市は金融危機の翌年(2009年)を除き、毎年、最低賃金基準の改定を行っているが、上昇率は鈍化傾向にある(図参照)。

図 北京市の最低賃金推移

この最低賃金には、次の4つは含まれない。(1)「中班」(昼過ぎから夜にかけての勤務)、夜勤、高温、低温、地下、有毒有害物などの特殊な作業環境・条件下での手当、(2)残業、時間外賃金、(3)社会保険料と住宅積立金の個人負担分、(4)国と北京市の規定により最低賃金に計上しないと決められたその他の収入。

また、社会保険料率の引き下げや社会保険料の納付基準の調整などを踏まえ、パートタイム労働者(非全日制労働者)の最低時給基準は2018年の24元(法定休日は56元)に据え置くとした。この基準には、社会保険のうち、養老・医療・失業保険料の企業と労働者本人それぞれの負担分が含まれる。

なお、2019年に入ってから、上海市(2,480元)、重慶市(1,800元)、陝西省(1,800元)などでも最低賃金の改定が行われている(「中国網」5月9日、注)。

(注)地区によって最低賃金基準が異なるケースが多いが、その場合は最も高い額を記載。

(張敏)

(中国)

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