バルト3国最大のスタートアップイベントがタリンで開催

(エストニア)

ワルシャワ発

2019年05月31日

バルト3国で最も大きなスタートアップイベントの1つである「ラティテュード59」がエストニアの首都タリンで5月16~17日に開催された。11回目を迎えた今回は、バルト3国を中心に世界各国から2,500人以上が参加した。日本からは5回目の出展となる福岡市が市内スタートアップ企業を含めて約30人参加し、会場にブースを設けたほか、優勝者に航空券や福岡市でのオフィスや住居を提供するピッチコンテストを実施した。

オープニングスピーチにはケルスティ・カリユライド大統領が登壇し、同大統領はそのままオープニングディスカッションにも参加した。大統領が登壇するのは他のバルト3国のイベントではあまりなく、エストニアが国を挙げてスタートアップに力を入れていることの表れだ。

写真 オープニングスピーチの様子(ジェトロ撮影)

オープニングスピーチの様子(ジェトロ撮影)

今回のラティテュード59は特に盛況で、前売り券が完売し、初日の開場時には入場手続きのために長蛇の列ができたほどだ。福岡市が開催したピッチコンテストも、会場から人があふれるほどの大盛況となった。スタートアップ・エストニア代表のマーリカ・トゥルー氏は、エストニアのスタートアップ企業にとって、日本はとても魅力的な市場であるため、今後も日本とエストニアの協力関係を強化していきたいと述べた。

写真 福岡市のピッチコンテスト会場(ジェトロ撮影)

福岡市のピッチコンテスト会場(ジェトロ撮影)

スタートアップへの投資・育成支援を行うMistletoe(ミスルトゥ)が共同で設立した子会社、ヴィヴィータ(VIVITA)がタリンに開設した創造的な学びの場である「VIVISTOP」も、前年に続き今回も会場内にスペースを設けて子供たちに体験学習の場を提供した。

写真 VIVISTOPのブース(ジェトロ撮影)

VIVISTOPのブース(ジェトロ撮影)

ラティテュード59は、バルト3国のスタートアップイベントの中で最も国際色が豊かで、バルト3国だけでなく、他の北欧諸国やアフリカ、アジアからの参加者も少なくない。同地域のスタートアップの事業環境を知る上で、最適なイベントとなっている。ラティテュードは毎年、5月中旬に実施されている。

(吉戸翼)

(エストニア)

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