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経済活動に占める国有企業のシェアは60~70%

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年05月17日

ロシアでは、経済活動に占める国有企業のシェアが年を追うごとに拡大している。連邦反独占局(注1)は4月29日、「2018年のロシアにおける競争状況」と題する報告書案を発表した。報告書案は、ロシアにおける競争状況の評価、競争発展に向けた国家計画と政策改善、特定産業(注2)の競争状況・傾向・問題などを含むロシアの競争政策について網羅しており、合計で600ページ以上に及ぶ。

同報告書案によると、1998年にGDPに占める国有企業の割合は25%だったのが、2008年に40~45%に拡大し、2013年には50%を超え、2017年には60~70%に達し、2018年も状況に変化はないとしている。エネルギー、輸送、鉱物資源採掘、金融分野では、各産業分野の総売上高に占める国有企業の割合は5割近くになっており、とりわけ、ガスプロムとロスネフチの2社はGDPに占める割合が12~14%に達している。

金融分野では、金融機関の総資産に占める国有金融機関による割合は2017年に59.2%だったが、2018年には信用危機に陥った大手金融機関「FKオトクリティエ」「ビンバンク」「プロムスビャジバンク」を金融分野結合基金(注3)が救済した結果、66.2%まで拡大した。他方、国営企業のプレゼンスが小さい産業は、冶金(やきん)、製薬、軽工業で、各産業の総売上高に占める割合はそれぞれ5%、3%、1%にすぎないと説明している。

国や地方自治体による公共調達においても、国有企業への発注が顕著だ。2018年に実施した公共調達額は6兆9,000億ルーブル(約11兆7,300億円、1ルーブル=約1.7円)に達したが、うち25%は国有企業が応札している。産業別にみると、この割合は金融分野で77%、科学・エンジニアリング・技術活動で65%、保健社会サービスで51%、情報・通信で45%、輸送・保管サービスで42%に上った。

プーチン大統領は2018年3月1日に行った年次教書演説で「経済に占める国有セクターの割合を徐々に削減しなくてはならない」と述べた。連邦反独占局も、国有セクターのシェア拡大は中小企業発展への阻害要因となり、生産性や技術革新活動の低下などの弊害があると指摘している。

連邦反独占局は上記の状況に対し、2017年12月21日付大統領令第618号で承認された「2018~2020年のロシアにおける競争発展国家プラン」に基づき、各産業における国有企業数の削減、公共調達における中小企業からの購入額拡大などのほか、各産業別に競争を促進する提案などを行っている。

(注1)日本の公正取引委員会に該当。製品・サービスおよび広告、エネルギーや輸送会社をはじめとする自然独占体の活動、公共調達、外国投資などに関わる競争政策の立法・監督を行う機関。

(注2)報告書案には、保健、教育、社会サービス、道路建設、通信、IT、住宅公共サービス(熱供給、上下水道を含む)、ガス、石油・同製品、石炭、電力、輸送、工業、金融、漁業などの分野を取り上げている。

(注3)金融分野の健全化に向け、ロシア中央銀行によって2017年に創設された国営基金。

(齋藤寛)

(ロシア)

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