イスタンブール市長選、再選挙決定
(トルコ)
イスタンブール発
2019年05月08日
トルコの最高選挙管理委員会(YSK)は5月6日、エルドアン大統領率いる与党・公正発展党(AKP)、および与党と「共和同盟」を結んでいた野党・民族主義者行動党(MHP)の異議申し立てを受け入れ、3月31日に実施されたイスタンブール市長選挙の結果を無効とし、再選挙を決定した。
再集計に満足せず
3月の地方選挙で、野党・共和人民党のエクレム・イマムオール候補は得票数416万9,765票で、AKPのビナル・ユルドゥルム候補の415万6,036票を上回った。敗北を認めない与党らの要請を受けて再集計が行われたが、結果は動かず、YSKは2度目の再集計要請を却下した。これを受け、イマムオール氏は4月17日に市長就任の告示を受理、18日に業務を開始していた。
今回の決定は、選挙や再集計に不正があったとしたAKPらによる選挙結果の取り消しと再選挙の要請を受けたもの。政府寄りの日刊紙「サバ」は、集計にはテロ組織(FETÖ)が関与していたと伝えている。トルコの為替相場は対ドルで、5.9トルコ・リラから6.1リラまで下落した。市場は社会不安と経済不安の拡大を懸念しているようだ。なお、YSKの与党代表は、再選挙が6月23日に行われるとしている。
(中島敏博)
(トルコ)
ビジネス短信 05f6bfe5d3b398df