カンボジアとタイ間の鉄道開通、物流コスト低下へ

(カンボジア、タイ)

アジア大洋州課

2019年04月30日

カンボジアとタイを結ぶ鉄道の開通式が4月22日に行われ、45年ぶりに両国を鉄道がつなぐこととなった(「プノンペン・ポスト」紙4月23日)。開通したのは、「南部経済回廊」に位置するポイペト(カンボジア)~アランヤプラテート(タイ)。これにより、両国の首都であるプノンペンとバンコクが鉄道でつながった。今回開通した区間の輸送手段はこれまでトラックだけだったため、輸送コストの低下など物流環境の改善に期待がかかる。

国境近くのポイペトは「タイプラスワン」の拠点として注目されている。タイ語のできるカンボジア人ワーカーを確保しやすいことや、タイと比較して稼働日数が多く賞与が少ないため、実質賃金がタイの半分ほどである点などがメリットだ(2018年7月4日記事参照)。

同じ日には、カンボジア北西部のボンティアイミアンチェイ州とタイ東部のサケーオ県との間で、「カンボジア・タイ友好橋」の完成式典も行われた。タイのプラユット首相が2017年9月にカンボジアを訪問した際には、この地域の国境ゲートを物流拠点として整備すること,新たに4つの国境ゲート開通に向けた取り組みを加速化することなどが合意されている。こうした状況下、トラック専用の国境検問所も今後設置される予定で、増加するトラック交通量に対応する。

(渡邉敬士)

(カンボジア、タイ)

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