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トルクメニスタン、ロシア向け天然ガス輸出を3年ぶり再開

(トルクメニスタン、ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年04月16日

トルクメニスタンの国営天然ガス事業会社トルクメンガスは4月15日、2016年以来となるロシア向けの天然ガスの輸出を再開した。トルクメニスタンの電子新聞「トルクメニスタンの石油ガスコンプレクス」が報じた。ロシア側の輸入者であるガスプロムもロシアメディアの取材に対し、トルクメニスタンからの天然ガス供給が再開されたことを認めている(RNS通信社4月15日)。

天然ガス供給契約の金額、輸送量などの詳細は明らかにされていない。トルクメニスタン側の発表では、輸出の再開は「2028年までのガス分野における協力に関するトルクメニスタンとロシアの政府間合意」(2003年4月に調印)に基づくものとしている。

ガスプロムは2003年からトルクメニスタン産天然ガスを購入していたが、2015年に天然ガス供給契約に関する義務不履行や価格設定をめぐり相互に非難するなど、トルクメニスタンとの関係が悪化、2016年初めからガスプロムはトルクメニスタン産天然ガスの輸入を停止していた。両者の紛争は国際仲裁裁判所に持ち込まれていたが、2018年12月末まで一時的に仲裁手続きが中断されていた。2018年夏ごろから両国政府間の交渉が活発化し、今回の天然ガス再出荷に至った。

ロシア側が再開を積極的に働き掛けた様子がうかがえる。カスピ海の法的地位が確定した「第5回カスピ海沿岸諸国サミット」(カザフスタン・アクタウ、2018年8月13日記事参照)開催直後の2018年8月15日、プーチン大統領はトルクメニスタンのグルバングルィ・ベルディムハメドフ大統領とロシア南部のソチで非公式会談を実施、両国の協力関係の深化について議論を行った。両首脳の再会談やロシア政府高官のトルクメニスタン訪問などを経て、11月28日にはガスプロムのアレクセイ・ミレル会長がトルクメニスタンの首都アシガバートでベルディムハメドフ大統領と会談。トルクメニスタン政府の発表によると、テーマはガスプロムによる天然ガス購入再開に加え、天然ガス採掘、加工、パイプライン輸送、熱エネルギー分野の設備更新、天然ガス・石油製品の競争力強化や輸出など幅広い分野での協力に及んだ。

ロシア側が合意を積極的に図った背景として、ロシアの「独立新聞(2018年10月10日)」は、地政学的な要因と、トルクメニスタン産天然ガスをロシア経由で輸送することで、カスピ海底を経由し欧州に至る天然ガスパイプライン敷設計画の実現可能性を下げること、などを挙げている。また、トルクメニスタン側でも現在中国向けに行っている天然ガスの供給契約の内容に満足しておらず、政策実施の原資となる資金を確保する必要性があることも両国の利害が一致した理由の1つ、との専門家の見方を紹介している。

(高橋淳)

(トルクメニスタン、ロシア)

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