ジェトロ、四川省と重慶市で高齢者産業交流会開催
(中国、日本)
成都発
2019年04月17日
ジェトロは3月26、27日に四川省成都市で、28日に重慶市で、「日中高齢者産業交流会」を開催した。
両交流会にはそれぞれ、養老施設の運営、人材育成、介護機器・用品などの分野の日本企業15社が参加。成都市内の養老施設の視察、成都市社会福利・養老サービス協会との意見交換会、商談会が行われた。商談会には中国側から養老施設や病院、不動産ディベロッパー、保険会社、代理店などが参加した。成都会場で230人、重慶会場で130人の計360人が来場し、両市合わせて約380件の商談が行われた。
商談会と並行して行われた来場者向けのセミナーでは、日本企業側から、中国の他都市における養老サービスの展開事例や施設の管理運営、人材育成のノウハウなどが紹介され、来場した政府関係者、中国企業・団体などが熱心に耳を傾けていた。
参加した日本企業からは、「日本の養老サービスに対する関心の高さがうかがえた」「現場の状況や市場を理解することができた」「代理店候補となる企業との商談ができた」という声があった。一方、高齢者用品の必要性がまだ認知されておらず、商品の使い方や必要性を伝えるのはなかなか難しいと感じたという指摘もあった。
四川省と重慶市統計局の発表によると、2018年の四川省の65歳以上の人口は1,182万人、重慶市では437万人だった(表参照)。人口に占める65歳以上の比率は四川省、重慶市ともに14%を超え、中国全体の11.9%を上回っている。高齢化の急速な進展に伴い、両地域では、養老サービスの量的拡大、質の向上とともに、関連産業の育成・発展が喫緊の課題となっている。今後も高齢者市場の拡大が見込まれることから、日系企業のビジネスチャンスの拡大が期待される。
(田中一誠)
(中国、日本)
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