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WTOパネルが米国の「ゼロイング」にシロ裁定、カナダ産針葉樹材めぐり

(カナダ、米国)

トロント発

2019年04月12日

カナダ政府は、米国がカナダ産針葉樹材へのアンチダンピング(AD)関税の算出に際し、ゼロイング〔輸出国の国内販売価格より、輸出価格が高い場合の価格差(ダンピングマージン)をマイナスではなくゼロと見なして、AD税率を計算する方法〕を採用したことを不服とし、2017年11月にWTOに提訴していた件で、WTOの紛争処理小委員会(パネル)は4月9日、これまでの裁定に反し、当該方式はWTO協定に違反していないとの結論に至ったと発表した。

ライトハイザーUSTR代表は今回の裁定を歓迎

米国はこれまで、WTOにおけるゼロイングについての裁定では、協定に違反するという認定を受けていた(2007年1月17日記事参照)。ライトハイザー米国通商代表部(USTR)代表は、今回の裁定を歓迎し、「過去のWTO上級委員会の裁定が誤ったもので、拘束力を持たないことが明らかになった」と述べた。

一方、カナダのフリーランド外相は同日、WTOの裁定について、ゼロイングがWTO協定に違反しないとした点については懸念しているとし、上訴を含めた対応を検討中だと語った。

今回の裁定は、加米間での数十年に及ぶ針葉樹材をめぐる紛争が新たな段階にきたことを示している。米国がカナダ産針葉樹材に対し、合計9.92~23.76%の相殺関税(CVD)課税およびAD関税を課していることについて、カナダは北米自由貿易協定(NAFTA)第19章に基づく提訴をしており、その審理が5月7日から始まる予定だ(CBCニュース4月10日)。また、2018年11月末に加米墨間で署名に至ったカナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、新NAFTA)はまだ批准されておらず、カナダ政府は米国が通商拡大法232条に基づくカナダ産鉄鋼・アルミニウムへの追加関税が撤廃されなければ、批准は行わないと主張している。

(酒井拓司)

(カナダ、米国)

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