カザフスタン、カスピ海を経由する定期フィーダー輸送を開始

(カザフスタン、アゼルバイジャン、ジョージア)

欧州ロシアCIS課

2019年04月18日

4月16日に、カザフスタン西部・カスピ海沿いの港湾都市アクタウから対岸のアゼルバイジャン・バクーに向け、定期フィーダー船(注1)の運航が開始された。カザフスタン側による定期フィーダー航路の開設は、今回が初めて。

運航を担当するのはカズモルトランスフロトで、使用されるフィーダー船「トルケスタン」のコンテナ積載能力は225TEU(20フィート換算単位)(注2)で、週1回運航の予定。中国から欧州向けのトランジットのコンテナ貨物とカザフスタン発コンテナ貨物が連結され、優先的に輸送が行われる。全体の貨物輸送を管理するカザフスタン鉄道は、アゼルバイジャン、ジョージア、トルコの鉄道事業者と連携し、トランジットコンテナ貨物輸送を中国の連雲港からトルコのイスタンブールまで16日間で輸送する体制を整えつつある、としている。また、カザフスタン(カスピ海)経由トランジット輸送のさらなる発展には、カザフスタンと中国との国境にある鉄道駅アルティンコリ、同ドライポート「ホルゴス-ボストチヌィエ・ボロタ」、カスピ海のアクタウ港での輸送インフラの効率的な利用と、トルコ、ジョージア、アゼルバイジャンから東(カザフスタン、中国)向け貨物をより多く集め、競争力のある料金体系を設定することが重要としている。

定期フィーダー便の開設式典に合わせ、カザフスタン鉄道と、カザフスタン国営石油・天然ガス事業会社カズムナイガスとの間で、ドライコンテナの輸送に関する合意書に署名が行われた。カズムナイガスは子会社を通じて、ジョージア西部・黒海に面したバトゥーミ港の独占的運営権と同港の石油ターミナルを取得しており、以前からカスピ海を経由する(液体を中心とした)貨物輸送に実績がある。

また、カザフスタン政府は現在、アフガニスタン、中央アジア、中国などの既存マーケット以外への穀物輸出の拡大を目指している。小麦輸入先の多様化を目指すジョージアなどと現在、交渉を進めており、将来的にアクタウ港を経由した輸送も想定されている。

(注1)通常、外洋で利用される大型コンテナ船と比較して、小型のコンテナ積載船を指す。

(注2)カズムナイガスによると、今後、カザフスタン鉄道の事業資金により新しいフィーダー船が導入される予定。

(高橋淳)

(カザフスタン、アゼルバイジャン、ジョージア)

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