インドネシア初のMRT・地下鉄が開業

(インドネシア)

ジャカルタ発

2019年04月05日

インドネシアの首都ジャカルタを運行する初の大量高速鉄道(MRT)が4月1日、営業運転を開始した。MRTは日本の円借款プロジェクトで、総供与金額は1,250億円とされている。基本設計、建設工事、車両や信号、改札などのシステムに至るまで、全面的に日本の技術が導入されている。中央ジャカルタと南ジャカルタを結ぶ全長15.7キロの一部区間は地下鉄になっている。営業運転に先駆けて行われた無料乗車では、1週間で約33万人が乗車し、多くの人がインドネシア初の地下鉄を楽しむ姿が見受けられた。

ジャカルタのMRTは、2009年の円借款供与契約後に2013年10月から建設フェーズに入り、2015年から本格的に地下部分のトンネル工事や高架の建設などが開始された。2019年に入って全路線で試運転を実施し、3月中旬から一般試乗会を実施した。運行区間のうち、ジャカルタの目抜き通りであるタムリン通り、スディルマン通りは地下を通行する。基準料金は1キロ当たり1万ルピア(約79円、1ルピア=約0.0079円)と設定された。始発から終点までを30分間で走行するため、深刻な渋滞を避ける公共交通手段として期待される。

3月24日に行われた開業式にはジョコ・ウィドド大統領が出席し、MRTの第2期工事についても建設開始を発表した。第2期工事では、現在の路線を北へ7.8キロ延伸する。第1期と同様の円借款プロジェクトで、2024年の開業を目指す。

写真 ジャカルタに開業したMRT駅内の様子(スナヤン駅)(ジェトロ撮影)

ジャカルタに開業したMRT駅内の様子(スナヤン駅)(ジェトロ撮影)

(山城武伸)

(インドネシア)

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