1月の産業活動指数、前年同月比マイナスも、前月比では2カ月連続のプラス成長
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2019年04月12日
国家統計センサス局(INDEC)は3月28日、1月のアルゼンチンの産業活動指数は前年同月比5.7%減、前月比0.6%増と発表した。前年同月比では9カ月連続のマイナス成長だったが、前月比では2018年12月(前月比1.0%増)に続きプラスとなった(図参照)。
産業別でみると、漁業(10.2%)、農業・牧畜・狩猟・林業(8.9%)、教育(1.3%)の3分野だけ、前年同月比でプラス成長となり、その他の分野はマイナスだった。商業(マイナス12.3%)、工業(マイナス10.1%)、建設業(マイナス7.8%)、金融仲介業(マイナス7.6%)の落ち込みが際立っており、続いて輸送・倉庫・通信(マイナス5.2%)、電気・ガス・水道(マイナス4.8%)、不動産・賃貸業(マイナス3.0%)となっている。
コンサルティング会社マネージメント・アンド・フィットのエコノミストは、前年同月比で1月の産業活動指数がマイナス5.7%となったことは驚きではないとしている。2018年1月は、干ばつや通貨下落による影響はなく、前年同月比で4.8%のプラス成長となっていた。また、産業別に前月比での成長率を分析し、金融仲介業と不動産・賃貸業を除くほとんどの分野がプラスに推移したとしている(「ラ・ナシオン」紙3月28日)。
政府のマクロ経済政策を担うミゲル・ブラウン経済省経済政策担当副大臣は、3月上旬に報道された現地番組の中で、景気は2018年11月に底を打ったとしたが(「クラリン」紙3月13日)、その後のインタビューでも、その見方は引き続き変わっていないとしている。その根拠として、12月、1月に産業活動指数が前月比でプラスを記録したことを挙げており、全体的、また特定の分野においても、前向きなデータが見られ始めていることに触れ、2月の産業活動指数も前月比0.6%周辺となるだろうとしている(「インフォバエ」紙3月31日)。
(高橋栞里)
(アルゼンチン)
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